ボクシングのWBA&IBF世界バンタム級統一王者で、最も権威ある米専門誌「THE RING」が全階級のボクサーを格付けした「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の最新版で4位にランクインしている井上尚弥。その彼が4階級王者の井岡一翔について珍しく語っている。
14日、東京・後楽園ホールで開催されたWOWOWのイベント「エキサイトマッチ30周年記念 リングサイド会議SP『黄金の中量級』」に登場した井上は、井岡の名前こそ出さなかったものの「どこかで耳にした5階級制覇したいというのも期待しつつ、そこに向けて発言してもいいかなと思う」「ファンの方も密かに楽しみにしていると聞いている。盛り上がればアリかな」と、井岡との対戦に前向きなコメントをしている。
「これはキックボシクシングの那須川天心×武尊の世紀の一戦がついに決定したことを受け、飛び出した発言。井上はこれまで公の場で井岡選手について語ることはほとんどなかったため、リップサービスだとしてもかなり異例のことです」(ボクシング記者)
ちなみに井岡もPFPで9位。いずれも世界中のボクシングファンや記者から「偉大な王者」と評価されている2人が激突すれば、とんでもない盛り上がりを見せるのは間違いない。
「実際、コロナの影響で日本国内では外国人ボクサーとのマッチメイクが難しくなっており、試合が決定しても感染によって中止になるケースもあります。井岡選手はボクシングを通じて日本を盛り上げたいという意識も強く持っており、条件さえ整えば一気に実現へと動く可能性はなくはない」(同)
階級は井上がバンダム級で、井岡がスーパーフライ級でわずか1階級差。制限体重の違いは1.36キロしかない。
「ただし、ボクシングでは1階級違えば、パンチの重さも違う。2人とも下の階級から上げてきたとはいえ、井岡選手は最軽量のミニマムからスタートしている。身長差はほとんどないですが、体格は井上選手のほうが大きい。井上選手がバンタム級にいる間に井岡選手が階級を上げれば、実現の機運がぐっと高まってくるでしょうね」(同)
仮に対戦となれば、日本人同士の世界戦では過去最高の注目を集めた薬師寺保栄×辰吉丈一郎戦(94年)を上回る熱狂を呼ぶのは確実。世界が注目するドリームマッチを、ここ日本でぜひ見てみたいものだ。