米15球団との交渉過程で出た「鈴木誠也の長所は短所」の声

 最大15球団が興味を示している。鈴木誠也の代理人、ジョエル・ウルフ氏が日本のメディア取材に応じ、ポスティングシステムの申請手続き終了後、メジャーリーグの半数に及ぶ球団とコンタクトしていることを明かした。改めて、鈴木に対する評価の高さが分かったが、興味深いのはプラスポイントの話。鈴木の長所は弱点にもなり得る危険性を秘めていた。

「鈴木の27歳という若さ、選球眼の良さ、フライ打球率の高さなどスラッガーとして期待できる要素が数値化されて、紹介されています」(米国人ライター)

 アスレチックス、メッツなどで活躍した元メジャーリーガーのジェリー・ブレビンス氏がそれをネット配信していた。

 ブレビンス氏は、鈴木の過去3年間の四球と三振の数値に着目し、「四球は263。三振は241。四球数が三振を上回っているのは素晴らしい」と称賛。さらに「ボールゾーンのスイング率」がわずか19.8%であることを取り上げ、この数値を今季のメジャーリーグにあてはめれば5位に入るとして絶賛していたが、こんな意見も聞かれた。

「日本とメジャーリーグでは、ストライクゾーンが異なります。実際に打席に立つことになれば、外角に広い、米国式のストライクゾーンに戸惑う場面もあるのでは」(同)

 今季の大谷翔平もボールだと思って見逃した球をストライク判定されるときがあった。「苦笑い」を浮かべ、その後、審判団とギクシャクしてしまった。

「選球眼の良いスラッガーは、際どいコースでも自信を持って見送ります。鈴木は日本のストライクゾーンが染みついているでしょうし、外角球に手を焼く時期もあるでしょう」(現地関係者)

 鈴木は侍ジャパンの主砲として、日本を金メダルに導いた。過去の国際試合を見る限り、ストライクゾーンへの戸惑いは感じられなかったが、数値面でも“揃いすぎている”ため、「かえって心配」の声も出始めたのだろう。

 代理人のウルフ氏は「最近、例を見ない問い合わせ」とも語っていた。新労使協定の話し合いによる交渉の遅延も予想されているが、時間が掛かれば掛かるほど、鈴木側に提示される条件も跳ね上がっていきそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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