「WBC強化合宿」に大谷翔平が来ない!?「エンゼルスとの契約上の問題が…」

 早く教えてくれ—。3月のWBC本番が近づくにつれ、栗山英樹代表監督とNPBスタッフはそんな心境だろう。

 メジャーリーグ機構がMLB各球団のキャンプ日程を発表した。アリゾナ州とフロリダ州に15球団ずつ分かれ、各球団ともバッテリー組と野手組のスタート日は異なっている。と、ここまでは例年通りだが、1月10日、侍ジャパンの強化委員長も務めるNPBの井原敦事務局長がオンライン会見を開き、こんなことを漏らしたのだ。

「MLBとの連絡係みたいな立場の人がいたので、聞いてみたんですけど、まだ…」

 MLBからの「連絡」がまだ来ていないと言うのである。6日に侍ジャパンの一部メンバーを先行発表したときも、井原氏は大会の詳細なルールがまだ知らされていないと明かしていた。しかし、「回答待ちの未確認事項」はそれだけではなかったのだ。

「合宿中に練習試合を組んだ場合、(日本人メジャーリーガーは)参加できるのかどうかなど、契約上の問題が出てくる」(井原氏)

 侍ジャパンは2月17日から宮崎での強化合宿を予定している。大谷翔平を始め、ダルビッシュ有、鈴木誠也、吉田正尚らの日本人メジャーリーガーたちは「強化合宿からのフル参加」を公表していたが、それはあくまで意気込みだ。「練習試合=イベント」と解釈された場合、彼らとMLB球団の契約に抵触する可能性があるのだ。

「強化合宿にはファンやマスコミが殺到するでしょうし、大谷たちの言動は連日大きく報道されるでしょう。強化合宿に関連する行事ともなれば、『WBC期間中に別イベントをやった』と解釈されてしまうかもしれません」(球界関係者)

 だからこそ、「早く回答してくれ」とNPB側はイラ立っているのだ。

 大谷の所属するエンゼルスでは、バッテリー組のキャンプスタートは2月15日(現地時間)。「練習試合への出場がNGなら、いっそ所属球団の通常キャンプで調整させ、3月9日の一次ラウンド初戦に合わせて侍ジャパンに合流させるべき」という意見もある。

 果たして大谷の「宮崎来日」は叶うのか、それともその勇姿は東京ドームでの初戦までお預けとなるのか…。

(飯山満/スポーツライター)

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