新庄剛志監督「整形&ビジュアル革新論」【3】若手選手が自己アピール開始

 パ・リーグ関係者が明かす。

「中田翔(32)が去った今、日本ハムの選手たちはどちらかというと、地味で行儀のいい優等生タイプがほとんど。そうした中、新庄監督の発言を受けて、若手選手もアピールを始めている。中でもルーキーで活躍した伊藤大海(24)の特徴的な長髪に対しては『個性ある髪型 服装 発言 大歓迎!! ただし痛んだ髪 汚い肌 汗臭さ ダサい服。全ての身だしなみが出来ない選手は二軍行きだ』と投稿すると、『僕も同じ考え。感覚が似ていると思う』と伊藤がナイトルーティンを話して、スポーツ紙を賑わした。また、伸び悩みが指摘されてきた上原健太投手(27)が突如、二刀流を表明して一躍話題になるなど、これまでの発信力のない球団から完全に意識改革が進んでいる。これこそ、新庄が目指すところの『整形ビジュアル革新論』にほかなりませんよ」

 東京五輪後に日本ハムのGMに就任した稲葉篤紀氏(49)にしても、現役時代、ヤクルトから日本ハムに移籍した際に、その徹底したファンサービスぶりを見て感動。それ以降、ファン目線で積極的にアピールするようになったという。いわば、この原体験があったからこそ、新庄監督誕生につながったというわけだ。

 野球評論家の江本孟紀氏も両手を叩いて喝采する。

「今の球界でこれほどアピールが上手な監督もいないでしょう。プロ野球人にとって、アピールは非常に大事です。『何をしたいか』『こういう采配をする』などのアピールが、他球団の監督は薄いですね。選手にも観客にもわかりやすいですし、これぞ監督に指名した日本ハム球団のファインプレーです」

 目下、喫緊の課題は、歯止めがかからない観客動員の低下をいかにして上昇へ転じさせるか、ということに尽きる。

「コロナ禍での入場制限による赤字は、1チームあたり1試合1億円とも言われていた。今季最下位だった日本ハムの観客動員は1試合平均7673人と、パ・リーグでもBクラス(コロナ前の19年は2万7368人。21年の12球団最低はオリックスの5994人)の動員だったが、一気に取り戻す可能性を感じさせます」(パ・リーグ関係者)

 そして、日本ハムのホームとなる2023年に完成予定の「HOKKAIDO BALLPARK VILLAGE」は日本初の開閉式天然芝球場。観客席には温泉が設置され、球場周辺では湖でのカヌーや釣り、キャンプ、アイススケート(冬限定)なども楽しめるボールパークとなることが決まっている。が、如何せん、札幌の中心部から地理的に遠いことから集客での苦戦が予想されてきた。だが新庄監督効果で、たちまち暗澹たるムードは一変。今や開幕に向けてイケイケの進軍ラッパを吹き鳴らしているというから、恐るべしである。江本氏が続ける。

「シーズンの結果は、選手をどれぐらいやる気にさせるかですね。選手が発奮して、自分の持っている以上の力を出すか否か。それが監督やコーチの役割です。うまくいけば優勝もありますし、妙な空気になると最下位もあるでしょう。いずれにしても、来シーズンは楽しみ。キャンプも盛り上がりますし、地上波で日本ハム戦が放映されるかもしれないですね」

 ベンチ裏でのやり取りを公開する、とも語るビッグボス。地上波で見られる新庄劇場が、今から大いに楽しみだ。

*「週刊アサヒ芸能」12月2日号より

スポーツ