プロ野球界で巻き起こった「新庄フィーバー」。隠し事なしの陽性キャラクターが持ち味だけに、過去の「整形」までもカミングアウト。独特のビジュアル戦略で選手を鼓舞し、早くもチームの意識改革に成功しつつある。監督就任からわずか2週間でチームを掌握した「ビッグボス流」の真骨頂とは─。
10月29日に日本ハムが新庄剛志新監督(49)就任を発表してから、2週間余り。11月14日には日本最大のポータルサイト「ヤフーニュース」のスポーツ記事の人気ベスト5を「新庄絡み」がすべて独占した。スポーツ紙記者によれば、
「1位が『新庄がバリー・ボンズに臨時コーチ就任を打診』というもの。2位は『ダルビッシュ有に日本ハム復帰を要請していた』。即座に断られたそうですが(笑)。3位にはNHKの『サンデースポーツ』に出演した際に、ソフトバンクの砂川リチャードの名前を挙げて、『欲しいなと思ってた瞬間に1軍に上がって、(本塁打)7、8本打ってたので、あーこれはもう出してくれないな』と語った記事で、これも注目を集めた。とにかく、一挙手一投足にプロ野球ファンがチェックしているといっても過言ではないフィーバーぶりですね」
その効果たるや、監督就任会見翌日のメディア露出を広告費に換算すると、新聞記事2億円、ネット記事47億円、テレビは40億円で、トータル89億円との概算もあるほど。経済アナリストも「来年優勝すれば2000億円になる可能性もある」とブチ上げるなど、早くも「ビッグボス効果」の皮算用が始まっている。
現役時代には恩師である野村克也氏をして「宇宙人だよ」とボヤかせた新庄節が、いわばジリ貧球団の救世主としてカンフル剤になっているというのだ。
「中でも監督就任会見で記者たちの度肝を抜いたのが、整形カミングアウトでした。来シーズンの抱負を聞かれた際に『これからは顔を変えずに、チームを変えていきたい』と語り、報道陣を爆笑させました。ところが11月12日には『今、リフトアップの為 糸入れてきたよん 右4本、左5本ずつ』とツイッターに投稿。タブー視されている整形の話題すらスポーツ紙受けする見出しに変える策士ぶりには、舌を巻きますね」(スポーツ紙記者)
ビッグボスの整形遍歴は、24歳にまでさかのぼる。スポーツライターが振り返る。
「今もトレードマークになっている真っ白な歯は、すべてインプラントの特注品。本人いわく『虫歯になりやすかったので、どうせならすべて取り替えたい』と思い立ち、シーズンオフに1日6時間の治療を4回受けて、すべて替えたというから、かなりのスピードだったようです。当時、亀新(亀山&新庄)ブームでも年俸は3000万円弱だったそうですが、そのうち約2000万円を『投資』したほど。若手の頃から、ビジュアルにこだわりがあったのです」
現役時代からファンサービスに徹するビッグボス流。その原点は、インプラント治療にあったのだ。
*「週刊アサヒ芸能」12月2日号より【2】につづく