新庄剛志監督が清宮に「痩せろ」と伝えた本当の意味とは?

 秋季キャンプに合流した“ビッグボス”こと新庄剛志監督が精力的な動きを見せている。日本ハムナインとの初顔合わせとなった11月8日は、真っ赤なジャージ姿で登場。そのド派手なファッションには驚かされたが、外野からの中継プレーに関するアドバイスは詳細なものばかりだった。

「新庄監督は『苦労を楽しんでもらえるような野球がいいね』とメディアに話していました。ド派手なファッションも選手をリラックスさせる作戦でしょう」(取材記者)

 パフォーマンスが作戦だとすれば、日本ハムフロントが「着手してくれた」と安堵したのは、2日目の9日のほうだろう。新庄監督が清宮幸太郎に直接声を掛ける場面があった。

「球団は清宮を一人前に育ててほしいと思っています。栗山英樹前監督が中田翔や斎藤佑樹を託されたように」(球界関係者)

 新庄監督が声を掛けたのは、清宮が打撃練習を終え、守備に向かおうとしたときだった。打撃練習中はケージに張り付いて、見入っていた。打撃についてのアドバイスならケージを出たタイミングで声をかけるのが普通だが、新庄監督は違った。ファーストの守備位置に向かう清宮をワンテンポ遅れて追い掛けていき、ほかの人には聞こえない絶妙なポジションをとった。

 そこで交わされたのが、ダイエット進言である。「痩せたほうがモテるよ、カッコいい」の新庄節は既報通りたが、こんな指摘も聞かれた。

「プロとして体を大きくすることは大切です。新庄監督が伝えたかったのは『考え方を変えること』でしょう」(同前)

 清宮は2軍で本塁打王のタイトルこそ獲ったが、打率は1割台に沈んだ。三振数も多い。

「三振したくないと思っているのでしょう。2ストライク後、清宮はバットをボールに当てに行き、それこそカッコ悪い空振りを喫していました」(同前)

 打撃ケージに張り付き、清宮の打撃力は確認した。2ストライク後も自分のスイングをすれば、結果としてそれが三振であっても、カッコ悪いことはない。つまり、〈考え方を変えなさい〉と新庄監督はアドバイスしたかったのだろう。

 ダイエットのススメに秘められたビッグボスの真意は清宮に伝わったか? 3日目、球団が「期待の投手」と位置づけている吉田輝星にも声を掛けていた。「めっちゃ速くね?」の言葉には、〈自信を持ってストレートで攻めろ〉の意味が込められていたようだ。

 清宮、吉田を一人前に。ビッグボスは今後、どんな言葉を掛けていくのだろうか。

(スポーツライター・飯山満)

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