ディープインパクトが亡くなって、間もなく5年になる。現在、JRAに登録されている産駒数は100頭ちょっと。それで種牡馬リーディング7位(3月24日現在)は、やはり大したものだ。
今週はGⅠ・大阪杯(3月31日・阪神、芝2000㍍)が行われるが、GⅠ昇進後の7年で3度、ディープインパクト産駒が勝っている。19年アルアイン、21年レイパパレ、そして22年ポタジェだ。もちろん、最多サイアーである。
ちなみに、アルアインは単勝9番人気、レイパパレは4番人気、ポタジェは8番人気だった。この3頭の単勝平均配当は3103円。
今年出走のディープ産駒はキラーアビリティとプラダリアの2頭。キラーアビリティは21年ホープフルステークス(GⅠ)、22年中日新聞杯(GⅢ)など全3勝が芝2000㍍の距離巧者だ。前走はサウジアラビアでのネオムターフカップ(GⅡ)だったが、差して1馬身差の2着。復調を感じさせる内容だった。中間は阪神競馬場で着地検疫を受けながら調整を進めてきたが、落ちつきがあり、馬体の張りもいいという。日本での出走は暮れの中日新聞杯(4着)以来となるが、その時よりも体調は良さそうだ。GⅠ馬にふさわしい走りを期待したい。
プラダリアは年明け初戦の京都記念(GⅡ)を快勝。5歳を迎えて一段と充実してきたようだ。全4勝は芝2200~2400㍍でのものだが、2000㍍も十分守備範囲。阪神も未勝利を圧勝しており、コース替わりも大丈夫だ。坂路での最終追いは4F53秒2-12秒4だったが、雨で重くなった馬場を馬なりのまま駆け上がってみせた。これには、騎乗した池添師も「ここまでパーフェクトに来ています」とニッコリ。今回で5度目のGⅠトライとなるが、好勝負可能だろう。
この2頭、前評判ではプラダリアが4番人気で、キラーアビリティのほうは6番人気以下だ。馬券的妙味も十分。
なお、日本時間31日1時00分に、ドバイのメイダン競馬場で行われるドバイシーマクラシック(GⅠ、芝2410㍍)にもディープ産駒が3頭出走する。オーギュストロダン(愛)、ジャスティンパレス、そしてシャフリヤールだ。
その3頭の中ではシャフリヤールが一番人気はないが、侮るなかれ。一昨年の当レースの勝ち馬で、騎手も乗り慣れたC.デムーロ。しっかり押さえておきたい。
(競馬ライター・兜志郎)