動画投稿SNS「TikTok」で、「寄り目チャレンジ」が大流行。ハッシュタグ「#寄り目」や「#寄り目チャレンジ」で出てくる動画の総視聴回数は3000万超えするほどだが、医師らは「寄り目をやりすぎると急性内斜視になる可能性もある」と警鐘を鳴らしている。
「SNSでは以前から様々な危険チャレンジが流行りましたが、それを世に広めたのは14年に社会現象にもなった『アイス・バケツ・チャレンジ』だと言われています。同チャレンジはもともと筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の研究支援のため、バケツに入った氷水を頭からかぶるか、またはアメリカALS協会に寄付をするといった活動で、参加した人は次にチャレンジする人を指名するのが決まりでした。しかし、次第にそうした支援活動の意味合いは薄れ、チャレンジ内容だけが過激化し、同年8月にはスコットランドの少年がチャレンジ中に崖から池に飛び込み死亡するという事故も発生したのです」(フリージャーナリスト)
その後、「アイス・バケツ・チャレンジ」は廃れたものの、様々な危険チャレンジが生まれては消えを繰り返すようになり、18年には洗濯用洗剤「タイド」を食べる「タイドポッドチャレンジ」や、体に可燃性の液体を塗った上で火をつける「ファイヤーチャレンジ」が流行し、子供たちが大怪我をする事故が続出。YouTubeでは19年にガイドラインを改定し、危険チャレンジをする動画は削除の対象となっている。
しかし、それでも危険チャレンジは収まる気配はなく、「TikTok」では今年だけでも電気コンセントを使って火花を発生させる「コンセントチャレンジ」や脳を酸欠状態にする「失神チャレンジ」、ジャンプした人を転倒させる「頭蓋骨破壊チャレンジ」などが登場。「失神チャレンジ」ではイタリアの少女が死亡するなど、重大事故に繋がるケースも少なくない。
「危険チャレンジは度胸試しや承認欲求を満たすために年々過激度が増している印象です。さらに、こうしたチャレンジは親の目の届かないところでおこなわれるため、危険な事故になってしまいがちなのです。かつて、過激さがエスカレートし最終的には自死してしまうという、実際には存在しないデマのチャレンジ『Momoチャレンジ(またはブルーホエール)』がネット上で話題になったことがありましたが、そのうち本当に最悪の事態を呼ぶチャレンジが現れるかもしれません」(ネットウオッチャー)
SNSでは危険チャレンジを全面禁止にするべきかもしれない。
(小林洋三)