鉄道業界では当たり前となっている乗り放題きっぷ。実は、航空業界でも国内LCCのピーチが『Peachホーダイパス』という乗り放題チケットを19日正午から公式サイトで発売することを発表。しかも、国内線全33路線が11月1~30日のなんと1カ月間乗り放題とかなり充実した内容となっている。
実は、同社が乗り放題サービスを検討していると報じられたのは昨年12月。だが、その後は何の発表もなかったため、検討した末に導入を見送ったと思った人も多いはずだ。
「当初は今年2月を乗り放題期間に設定し、1月にチケットを販売する予定でしたが、冬場に国内でコロナの感染が拡大したこともあって延期したようです。ただし、正式に販売を発表する前だったこともあり、告知しなかったのでしょう」(航空ジャーナリスト)
気になる乗り放題チケットの料金は、座席指定・預け荷物が別料金の「ライト」は1万9800円、どちらも無料(※預け荷物は1つまで)の「スタンダード」が2万9800円で、合わせて30枚を先着特別価格として販売。そして、前記にそれぞれプラス1万円となる通常価格のパスが120枚、計150枚が売りに出されるという。
ちなみに1日で北海道と沖縄を訪れることも可能だし、有効期間が1カ月なので全路線搭乗してコンプリートすることも十分可能だ。
「でも、飛行機乗り放題はピーチが最初ではありません。2002年にANAが実施期間は1日ですが国内線乗り放題パスを1万円、さらに2008年にはプレミアムクラスが年間乗り放題のプレミアムパスを300万円で販売しています。他にも今年に入ってからはフジドリームエアラインズが4月と7月に乗り放題を実施。チケットの有効期間は2日間と3日間の2種類でしたが、ホテル代込みの販売でこちらも大好評でした」(同)
鉄道に比べると割高な飛行機の乗り放題は、お得に地方を旅行できる格好のチャンス。コロナ禍で大打撃を受けた航空業界の需要喚起の一手として、今後もこうしたサービスを定期的に実施してほしいものだ。
(高島昌俊)