富田林市、税金4000万円で「コロナ対策」根拠なし用品支給に批判殺到!

 大阪府富田林市が、大幸薬品の「クレベリン」約2万個を税金約4000万円を使って購入し、“コロナ対策用品”として市民に配布していたことが明らかとなった。「空間除菌」を謳う同商品だが、医薬品ではなく“雑貨”扱いとなっており、コロナ対策としては疑問視される商品に多額の税金を投入したことに批判が殺到している。

「富田林市は今年2月に市民に対し、『選べるコロナ対策用品をお届けします!』と銘打ちカタログから商品を選んでプレゼントする企画を実施しました。その商品の中で1万9300セットが用意された『基本Aセット』にはクレベリンと2種類の除菌スプレーが入っていましたが、これらは医薬品ではなく雑貨に該当するものだったのです。なお、『基本Aセット』は3月までに約1万6000個が市民に配布されたそうです」(社会部記者)

 クレベリンは「空間を除菌できる」と宣伝していたが、2014年には根拠がないとして、消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令が出されている。現在、同商品は「6畳相当(25㎡)の閉鎖空間でクレベリン置き型製品により、浮遊・付着ウイルスの一種、浮遊・付着菌の一種を180分間で99.9%除去できる事を確認」(大幸薬品調べ)と説明されているが、同時に「全てのウイルス・菌を除去できるもではありません」としている。

 富田林市が同商品を配布したことに、ネット上では《効果があやふやな雑貨をコロナ対策の名目で市が税金を使って市民に配布するのはさすがに大問題》《市の担当者は商品の効果も確認せずに約4000万円ぶんも購入したのか》など厳しい意見が数多く寄せられており、《マスクでもアルコールスプレーでもいいのに、なんでわざわざクレベリンを選んだのだろうと思わずにはいられない》と購入の経緯を疑う声も見られる。

「ニュースサイト『with news』の取材に富田林市担当者は『(第3派が到来する中で)できるだけ早く、より多くの市民を支援しようという思いのもと、役に立ちそうなものを探していました。そのため、実際の効果などの検証までをする時間がなく』とクレベリンを選んだ理由を弁明しています。ただ、今年2月といえば、大幸薬品が全国の病院に12万個のクレベリンを無償提供したことで、《まるでコロナに効果があるように誤った認識を広める》と批判されていた時期と重なるので、つい邪推したくなる気持ちも分からないではないですよね」(ITジャーナリスト)

 市民を支援するためなら、もっと冷静に商品を検討してもらいたかったが…。

(小林洋三)

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