「ゴルゴ13」50年以上の歴史で「初休載」、漫画がコロナに弱い理由とは?

 無敵のスナイパー・ゴルゴ13も新型コロナウイルスには勝てなかったということだろうか。「ビッグコミック」にて50年以上にわたって連載中の漫画「ゴルゴ13」が休載することが9日発売の同誌で発表された。

「さいとう・たかをさんの『ゴルゴ13』と秋本治さんの『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(16年で連載終了)は、共に連載が長い作品ですが、一度も休んだことがありません。取材と称して連載を休む作家が多いなか、両先生は『連載を休まないのがプロ』という考えの持ち主。そんなさいとう先生がゴルゴ13を休むわけですから、歴史的な事件と言っていいでしょう」(漫画誌編集者)

 休載する理由は3密を避けるためだという。だが、一部からは「なんで漫画で3密なのか?」という疑問の声が上がっている。

「漫画が先生とアシスタントの数人で描いていると思われているようですね。今の漫画は分業制が進んでいて、先生の他に多くのアシスタントが関わっています。そのメンバーがみなひとつの部屋に集まって作業するわけですから、3密になってしまうんです。今回の休載は先生やアシスタントを守るための処置と言えるでしょう」(前出・漫画誌編集者)

 影響を受けたのは「ゴルゴ13」だけでなく、「週刊少年ジャンプ」も新型コロナウイルスの影響で今後休載が増えると発表している。これ以外の漫画誌でも休載が増えそうだ。

「ゴルゴ13」は過去の作品を再掲載することで急場をしのぐという。掲載されるのは95年に掲載された「病原体・レベル4」。「ゴルゴ13」ことデューク東郷がエボラウイルスに感染する物語だ。

「新型コロナウイルスが問題になっている今にふさわしい作品です。18年に読者投票で名作13話が選ばれたのですが、『病原体・レベル4』は5位にランクインしています。ぜひ読んでほしいですね」(漫画誌ライター)

 デューク東郷はいかにしてエボラウイルスから回復するのか。驚きの方法をぜひ自身の目で確かめてほしい。

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