この資格でナンボ稼げる?(43) 「スポーツ医学検定」でケガが予防できる

 バレーボールやラグビーのワールドカップ、世界野球プレミア12など、今年の秋はスポーツのビッグイベントがめじろ押しでした。ラグビーで大男たちが本気でぶつかり合うシーンは迫力満点ですが、ケガをする選手も多いようですね。程度の差はあれ、スポーツや運動にケガは付き物です。

 そこで今回ご紹介するのは「スポーツ医学検定」。スポーツによるケガのリスクや効率的なトレーニング法などが学べる検定です。

 それではさっそく例題を見てみましょう。

〈問1〉通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し力が加わることで、骨にヒビが入ったり、それによって完全な骨折に至る状態のことを①疲労骨折、②圧迫骨折、③捻転骨折、④屈曲骨折のうち何と言う?

〈問2〉女性が激しいトレーニングを続けることで発症しやすい「女性アスリートの三主徴」。この3つに含まれないものは①エネルギー不足、②排尿障害、③運動性無月経、④骨粗鬆症のうちどれ?

 実際の問題はマークシート四者択一形式で出題されます。例題の答えは〈問1〉が①、〈問2〉が②となっています。

 私は3級に合格していますが、難易度は少し高めで、公式テキストでしっかり勉強する必要があります。逆に言えば、大学の医学部や医療系の専門学校にでも進まないかぎり、触れる機会がほとんどない専門的な知識を学ぶチャンスでもあります。

 この検定の公式サイトで、元ハンマー投げ選手の室伏広治さんや現ソフトバンクホークス監督の工藤公康さんが「応援メッセージ」とともにスポーツ医学の大切さを語っているように、ふだんからジムで筋トレやダイエットをしている人、あるいはお子さんが何かスポーツをやっている人は、ケガの予防のためにもぜひ挑戦していただきたいです。

 高校時代、私は陸上部に所属していましたが、「もしも当時、スポーツ医学の知識があれば、より効率的な練習ができていたのでは‥‥」と思うこともしばしばです。

 少し話は飛躍しますが、海外の一部の国では「ブックメーカー」が合法的に運営されています。これは主にスポーツの勝敗にお金を賭けるサービス。例えば、応援しているサッカーチームがあり、そのエースストライカーが負傷したとします。スポーツ医学の知識があれば、ケガの症状を分析したうえで、

「今シーズンの復帰は難しそうだからベットするのはやめよう」

 と、賢明な判断を下すことができるはずです。決して賭け事はオススメできませんが、スポーツ医学を学ぶことで、

「どうしてあの選手はケガばかりするんだろう‥‥」

 などと、それまでとは別の視点でスポーツ観戦ができるようになるかもしれません。

 ふだんの生活でスポーツになじみがない人でも、取得して損はないはずです。

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600

マネー