「野球なんかしてもつまんねえぞ」巨人育成選手の暴言騒動に集まった失笑とは

 野球を見せてファンからお金を取る。それがプロ野球選手なのだから、球団が注意するのは当然だが…。

 遡ること今年7月13日、2020年育成ドラフト11位で入団した保科広一選手が埼玉県戸田市で行われたヤクルトとの二軍戦の試合後、球場から寮に戻る途中にキャッチボールをしていた親子を見つけ、その少年に向かって「野球なんかしてもつまんねえぞ」と、まさかの言葉を投げかけたとか。

 巨人の選手からそんな言葉を浴びせられた親子も驚いたのか、その後球団に抗議したことで騒動に発展。保科選手本人は「冗談のつもりだった」と謝罪。巨人側は「紳士球団にあるまじき行為」と、平身低頭でその親子に謝ったという。

「球団側は一般の方に対する不適切発言として重く見たようで、保科選手をしばらくの期間、対外試合に出場させないなどの処分をしたようです。確かに夢見る野球少年にはショックを受ける言葉だったとは思います。保科選手がむしゃくしゃとしていたなら八つ当たりですし、冗談だとしても外で言う言葉ではない。球団の怒りもある意味当然だと思いますね」(スポーツライター)

 でも、この暴言騒動がネットニュースで拡散されると、保科選手に対して改めてバッシングが起こるのかと思いきや、球団がまるで想定していない声があふれてしまったとか。

「育成選手は契約金もなく、年俸は一般サラリーマンにも遠く及ばない場合が多い。にも関わらず、毎年ドラフトの時期になると大量解雇されます。保科選手は〝育成の星″候補と言われていますが、それとて現実になるか分かりません。そうしたシビアな現実を少年に冗談交じりに漏らしたのでは、と深読みする意見もありましたね。ですから、ネット上には『これが暴言と言われる世の中がおかしい』『野球がつまらないのは事実では?』『いいことを教えてくれたのに可哀想』といった、皮肉めいた意見が目立ちました。もちろん、批判もありましたが」(週刊誌ライター)

 今回、この騒動が波紋を広げたのはもう1つ理由があるという。

「やはり中田翔選手の問題です。後輩を殴って脳震とうを起こさせておきながら、たった9日間の謹慎だけで巨人へトレード、そして1軍への試合出場、さらには長嶋茂雄さんの激励まで受けている。知名度や実績が違うとはいえ、保科選手はそれに比較して『処分が違いすぎ』『暴言より暴力のほうが罪が軽い球団』という声が出てましたね。さらに紳士球団にあるまじき行為だったと報道されたことで、『紳士球団www』『中田翔がいる反社球団が何言ってるの?』と小馬鹿にするコメントがあふれてました」(前出・週刊誌ライター)

 中田翔選手と保科選手。球団の2人への扱いを比べたら「野球なんかしてもつまんねえぞ」は、とってもリアルに聞こえるかも?

(飯野さつき)

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