韓国メディアの「イーデイリー」が8月16日、韓国のキムチ輸入量が4カ月連続で減少したと報じた。これは韓国国内で拡散した“中国のマッパキムチおじさん”の動画が原因とみられており、今後はさらなる輸入減の可能性も十分にあるという。
「国民食であるキムチを韓国が輸入していることを意外に感じた方もいると思いますが、中国産のキムチは韓国産の5分の1程度の価格で入手できるため、特にキムチの無料提供が当たり前となっている韓国の飲食店では格安な中国産キムチを提供しているところも多く、2019年には中国から約31万トンのキムチを輸入しているのです」(韓国事情に詳しいライター)
そんな中、今年3月に「中国で白菜を漬ける方法」という動画が韓国のネット上で拡散した。この動画には、大量の白菜キムチが入った巨大な水槽の中に上半身を脱いだ男性が胸元まで浸かり素手で白菜をかき混ぜたり、錆びたショベルカーが水槽の白菜をすくったりする映像が収められていた。さらに韓国メディアが「この映像は中国では普通にみられる様子だ」「こうして作った白菜は韓国など各国にも輸出されている」と報じたことで、韓国では中国産キムチの不買運動がおこる事態となってしまったのだ。
この事態を受け韓国の食品医薬品安全処が「動画に出てくる白菜は、輸出用ではないことを中国の韓国大使館に確認した」と説明したものの動揺は収まらず、食品医薬品安全処は騒動を収束させるため中国から輸入したキムチ289製品を検査したところ、なんと15製品からエルシニア・エンテロコリチカという食中毒菌が検出され、キムチパニックはさらに広がってしまったのだった。
「3月に中国のマッパキムチおじさんの動画が拡散して以降、韓国のキムチ輸入量は4カ月連続で減少し、減少幅は月を追うごとに大きくなっています。しかも今、韓国では中国産キムチを“韓国産”と偽って提供するレストランが数多くあることが韓国当局の調査により発覚。家で漬けたキムチ以外は口にしないという人も増えているのです。このままでは、韓国国内のキムチの消費量自体が激減する可能性さえ出てきているのです」(前出・ライター)
韓国でまさかのキムチ離れが起きようとしている。
(小林洋三)