打撃復調・佐藤輝明のウラ「謙遜コメントはウソ!?」

 佐藤輝明選手の2本のホームランで阪神が快勝したのは8月17日。3回表に出た一発は「新人左打者の新記録」、75年ぶりに更新された価値のあるものだった。また、6回に出た2本目の22号アーチは「新人球団記録」に並ぶ快挙。

 当の佐藤は、「何とか粘ってインコースの球にうまく反応できました」と、謙遜していた。そんな控えめな姿勢も人気につながっているようだが、実際は違う。佐藤はホームランに関してはかなり強い意識を持っていた。

「新人の本塁打最多記録は31本。1959年の桑田武(大洋)、86年の清原和博両氏が打ち立てました。本人は『最低でも31本』と秘かに決意しています」(球界関係者)

「最低でも31本」ということは、記録更新を狙ってのことだろう。ふだんは謙虚な言動に徹しているが、一部の阪神OB、首脳陣にはその思いを打ち明けていたそうだ。

「佐藤は内角をえぐる速球に対応できませんでした。対戦チームの投手もその弱点を徹底して突いてきました。22本目は内角球を打ったものですが、速いボールを投げる投手との対戦ではなかった。新人記録更新ができるかどうか、その評価はこれからです」(在阪記者)

 同時にまた、こんな声も聞かれた。佐藤は苦手の内角球を克服する方法として、一時期、速いカウントで投じられる外角の緩い変化球にバットを合わせ、シングルヒットにするテクニックで逃げてきた。「らしくない」「将来の長距離砲には相応しくない」といった批判も聞かれたが、佐藤はもっと先のことも見据えていた。

「フルスイングしなくても、スタンドに入る打球も打てるようになりたいとし、あえてコンパクトスイングに徹していました。緩い変化球に合わせていたのは、力ではなく、コンパクトスイングの技術でも飛ばせるようになろうとしていたんです」(前出・球界関係者)

 佐藤が並みの新人と違うのは、失敗を次に活かすために色々と考え、自身で修正を加えられるところだ。

「公式記録としてカウントされないエキシビションマッチで、佐藤は5本のホームランを打ちました。その5本を惜しんでいます(笑)」(同前)

 ここまで強い信念があれば、「最低でも31本」の言葉も現実となるだろう。

(スポーツライター・飯山満)

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