次の槍玉はどこ?「デパ地下」入場制限にやっぱり噴出した疑問の声

 新型コロナウイルスの感染急拡大により、政府コロナ分科会の尾身茂会長から「デパ地下などの人流を強力に抑制していただきたい」との提言を受け、大手百貨店の三越伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武らは8月14日より、地下食品売り場、いわゆる「デパ地下」の入場制限を開始したが、《なぜデパートだけ?》と疑問の声が相次いでいる。

「百貨店では『阪神梅田本店』や『阪急百貨店うめだ本店』『ルミネエスト新宿』『伊勢丹新宿店』の、特に地下1階フロアで従業員がコロナに大量感染したこともあって、12日の会見で尾身会長は東京の人流5割を提言する中で、具体的な人流を制限する場所として『デパ地下』を名指しで挙げていました。そのため、三越伊勢丹では14日から首都圏5店舗で入場制限を行い、地下1階フロアへのエスカレーターも一部閉鎖するなどの対応を実施しました」(社会部記者)

 ただ、これにネット上では《なぜデパ地下だけ狙い撃ちなんだろう。スーパーやドラッグストアがOKな理由がわからない》《満員電車の密状態を問題視しないのに、なぜデパ地下程度の混雑を問題視するのか?》《何もかもが今さらすぎ。地下は換気が悪くて密になりやすいって当たり前だし、後手後手すぎて呆れる》など厳しい声が相次いでいる。

「飲食店やライブハウス、パチンコ店、酒類提供店に映画館、そしてデパ地下。世間的に問題視されたところを個別に潰しているだけという感じで、たまたま今回はデパ地下の感染者が明らかになったために慌てて提言が出されるだけで、根本的な対策にはなっていませんよね。そもそも、デパ地下が他の商業施設などよりもどれくらい感染者が多く、どれほど危険性があるから、どのような対策をしろ、という具体的な説明も何もない。『最近デパ地下の感染が目立つから人流を抑えて』というざっくりした説明では、利用者側はもちろん、百貨店側も戸惑うばかりなのでは」(同)

 デパ地下を抑えたあとは、どこが槍玉に挙げられるのだろうか。

(小林洋三)

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