雪印メグミルクの「マーガリン値上げ」に好意的な声が続出したワケ

8月12日、雪印メグミルクは家庭用のバター群、油脂群など14品目を10月1日出荷分から値上げすると発表。「ネオソフト」(160グラム)は175円から190円に、「ソフト&バター」は290円から300円に、「ホイップ植物性脂肪40%」は190円から200円に値上げとなるが、なぜかこの発表にネット上では好意的な声が数多く寄せられている。

「今回の値上げは、油脂の原材料となる大豆などの世界的な不作と中国を中心として食用油への需要が急増していることから、日本のみならず世界中で油の価格が高騰していることによるもので、7月1日からキユーピーや味の素のマヨネーズが値上がりしたのと同じ原因となっています」(フードジャーナリスト)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって今年に入ってから食用油に限らず、牛肉や野菜、小麦粉製品などなど値上げが相次いでいるが、今回の雪印メグミルクの発表にネット上では《内容量を減らして価格はそのままみたいな値上げよりも、きちんと値上げしてくれた方がいい》《量減らしてってパターンが多いけど今回の件に関しては、まだ評価できるかな》《値上げを公表しつつ商品の質を保ってくれるのであればなんら問題ない》《世界的に価格が高騰しているからね。ちゃんと発表してくれるのは好感が持てる》など好意的なコメントが多く見られたのである。

「ここ数年はシュリンクフレーションといわれる、いわゆる”ステルス値上げ”が横行していますからね。ステルス値上げとは、商品の価格やパッケージは同じなのに内容量だけが減っているという実質値上げ措置のことで、多くの場合は内容量が減っていることを大々的に告知しないため、買ってみたら量が減っていてガッカリという経験をした人も少なくないのです。ステルス値上げは菓子類など安価なものによくおこなわれ、値段を上げるよりも内容量を減らした方が客離れが少なくて済むと考えられていますが、ここ数年はあまりに事例が多いため、消費者からはかなり厳しい目を向けられるようになっています」(経済ジャーナリスト)

 いまは堂々と宣言をして値上げに踏み切ったほうが、好印象を与えるようだ。

(小林洋三)

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