左腕豊作の夏!甲子園大会は「第2の宮城、戸郷を探せ」

 夏の甲子園大会が始まった。今年のキーワードは「第2の宮城を探せ!」だ。オリックスの好左腕・宮城大弥が高卒2年目で活躍している。

「高校からプロ野球に進む選手は将来性を見越しての指名が多いですが、宮城、巨人・戸郷など“松坂大輔クラスの知名度”がなかった高校生投手が早々に一軍選手になっています。今夏の大会は、高校生投手の指名基準そのものを見直すくらいしないと」(在京球団スタッフ)

 しかも、今大会は例年以上に「左投手」が豊作だ。北海(南北海道)の木村大成、日本航空(山梨)のヴァデルナ・フェルガスと山形一心、横浜(神奈川)の金井慎之介、広島新庄(広島)の秋山恭平、県岐阜商(岐阜)の野崎慎裕、明徳義塾(高知)の代木大和と吉村優勢歩[2年]、阿南光(徳島)の森山暁生[2年]、大阪桐蔭(大阪)の松浦慶斗、東海大菅生(西東京)の本田峻也、二松学舎大付(東東京)の秋山正雲、作新学院(栃木)の井上力斗…。愛工大名電(愛知)の田村俊介はバッターとしても注目されているが、今春季大会では三塁も守って見せた。

「名門校が左投げの球児に三塁を守らせたなんて、ビックリです。よほどの野球センスなんでしょう」(学生野球担当記者)

 田村は投手では最速145キロをマーク。しかし、高校通算31本塁打を放った打撃力は“投手以上”に評価されており、指名球団によって、二刀流ということも十分に考えられる。

「左投手が豊富な大会は滅多にありません。進路未定の球児も多そうですが、今夏は慎重に時間を掛けて、投手を視察したい」(前出・在京球団スタッフ)

 通常、プロ野球チームのスカウトは地方予選や練習試合などで視察を終え、甲子園大会は「あくまでも確認」という流れだった。しかし、新型コロナウイルス禍により、視察はもちろん、野球部の活動そのものが制限されてきた。今夏は「試合本番でどんな力量を発揮するのか」も見極めなければならない。

 今夏の甲子園大会は、スカウトにとって、例年以上に大忙しとなりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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