1.8万人宿泊の選手村に「PCR室」はたった2カ所、〝金のトイレ〟も大顰蹙!?

 コロナ感染の状況次第ではまた変わるかもしれないが、東京五輪は”観客あり”で上限は会場の定員の50%以内、最大1万人とするなど、7月23日の開幕まで1カ月を切って具体的な開催方法が徐々に明らかになっている。そこで、20日には国内外の報道陣200人に選手村を公開したのだが、どうやら様々な点において顰蹙を買っているようだ。

「1つには、PCR検査室が2カ所しかないことです。中央区晴海の選手村は7月13日に開村予定。住宅、食堂、郵便局、宅配、クリーニングなど、ここに集められた選手たちが基本的な生活に困らない設備が備わった村は、14〜18階建ての建物21棟から成っていて、最大1万8000人が宿泊する予定です。ところがPCR検査が受けられる発熱外来は、プレハブの診療室が2つあるだけ。諸外国から大量の選手が集うだけに、大規模なクラスターが発生した場合、果たして対応しきれるのだろうかと思ってしまいます」(週刊誌記者)

 もちろんそういった懸念を抱くのは当然で、最大4300人が利用可能とされていた大食堂は定員を3000人までとするという。それでもちょっとしたイベントさながらの人が集うことになるわけで、また、選手村の戸数は3800戸なので、最大で8人が同じ部屋で暮らすことになる。完全な「密」だ。

 PCR検査の代わりに、ウイルスが持つ特有のたんぱく質(抗原)を検出する抗原検査は毎日選手が自室で行うとしているが、抗原検査は感度約70%と言われるPCR検査に比べてさらに検出力が低く、諸事情はあるだろうが、オリンピックの期間中だけ選手村内部での感染が表沙汰にならなければと考えているのではないかと穿って考えてみたくもなる。

 オリンピック開催を巡っては、開催しなかった場合の違約金の問題、スポンサーへの忖度、むしろマイナスの経済効果…など、金にまつわる“損得”も開催反対の根拠になっていた。そこへきてさらなる顰蹙を買ったのが「金のトイレ」だ。

「選手村のトイレと洗面台に、ビレッジの木造建築を模した金の縞模様の装飾が施されていたんです。主催者側は『選手への応援の気持ちを込めて』という“おもてなし”のつもりだったようですが、バッハ会長らIOC幹部は大会期間中は1泊300万円の部屋に宿泊して差額は組織委員会負担。大会関係者と選手の移動は新幹線1両貸し切り、飛行機はチャーター機と、あまりの大名旅行ぶりにアメリカのワシントン・ポスト紙がバッハ会長を『ぼったくり男爵』と呼んだばかり。もちろん本物の金が使われているわけではありませんが、『金のムダ遣い』との声が上がるのは当然でしょう」(前出・記者)

 その他、IOCが選手村内でウーバーイーツを使わせろと言ってきたり、選手村内での飲酒可の問題がミソを付けたりと、おかしな点は上げればキリはなくて、日本国民の怨嗟の声はどうしたって止まらないだろう。

(猫間滋)

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