未体験の10連休を終え、ここ数日、溜まった仕事の処理に追われる人も多いのではないだろうか。そんな中、「なんとなくやる気が出ない」「食欲がない」「夜眠れない」など、いわゆる“5月病”で不調をきたす人が、例年にも増して多いとされている。
「5月病とは、もともと新社会人や新入生が新しい環境に適応できずにGW明け頃から体調を崩すことを言いましたが、最近はそれ以外の環境の人も陥る傾向にあります。ましてや今年の場合は非常に長い連休だったことから、なかなか気持ちが仕事モードに戻らず、ストレスを抱えたまま気だるさが残るケースが増えると見られています」(生活アドバイザー)
5月を乗りきれば治ると思っている人も多いようだが、GW以降は7月の「海の日」まで祝日がないことから、心身の切り替えができないまま6月、7月までそのような状態が続くこともあるという。
「5月病をこじらせると、うつ病や適応障害、パニック障害、不眠症といった病になる可能性もあるので、注意が必要です」(同)
そんな危険な状況を克服するためには、どうしたらいいのか。専門家によれば、5つの対策法があるという。
①自分の好きなことをする…5月病は精神がストレスを受けている状態にあるため、ゲームや料理やドライブなど自分の好きなことをして、それを発散させる。「10連休で散々休んだから、これ以上遊んでいる場合ではない」などと無理に思わないこと。
②運動をする…精神的ストレスは運動で発散されるという研究結果があるように、体を動かすことは5月病の改善に効果的。ただし、急激な運動はむしろ身体にも心にも悪影響を及ぼすので、軽いジョギングやウォーキングなど無理のない範囲で始める。
③規則正しい生活をする…生活の乱れは心の乱れ。リズムを正すのに一番効果的な方法には、寝る前にスマホを見ないことや、就寝時はアイマスクを着けて光を遮断することが挙げられる。
④悩みを相談する…実は、不安や悩み、ストレスの大半は、他人に相談すると9割以上が改善するというデータもある。同僚や親、友達、恋人などに自分の現状を聞いてもらおう。
⑤急激に改善しようとしない…精神的な落ち込みはすぐにでも治したいと思うが、慌てないこと。なかなか治らない焦りがむしろストレスを増幅させてしまうこともある。あくまでマイペースで徐々に改善することを心掛ける。
こういう時こそ、SNSで辛さを共有するのも一つの手かもしれない。
(小林洋三)