夕飯の買い物は無印良品で買ってから帰る。そんな光景が見えそうなのが、横浜市のJR港南台の駅前だ。「無印良品」を運営する良品計画は、同駅前に「無印良品 港南台 バーズ」をリニューアルの際に増床して、5月14日から食料や生鮮を売るスーパー事業に乗り出した。
「同社がスーパー事業を手掛けるのは初めてではありません。既に大阪堺市と京都山科でスーパー併設店を出店しているので、今回の出店は関東進出1号店ということになります」(経済ジャーナリスト)
同店はスーパーチェーンを展開する三越伊勢丹系列の「クイーンズ伊勢丹」と鮮魚チェーンの「中島水産」と協業で運営する。だから取り扱う野菜や肉、魚、総菜などはなんと1万点。無印だけに地産地消の地元素材にこだわったものだ。
さなるこだわりは、オープンキッチンを設置して、料理のデモンストレーションやレシピを提案する。しかもその模様は店内モニター、公式アプリ、SNSでライブ配信されるというからなんとも今風だ。量り売りも行って、フードロスや余計な包装を排するというから、SDGsでもある。
これを機に、良品計画と横浜市は「包括連携協定」なるものを結んだと5月12日に発表している。それによれば、横浜市は大都市に共通の大規模住宅の老朽化や急速な少子高齢化の問題に見舞われていて、これらの問題に両者がタッグを組んで解決に努めるという。スーパーの出店はその第1歩でもある。
そもそも良品計画は、「『感じ良いくらし』の実現」を掲げて生活全般にわたるサービスを提供する企業だけに、今度の提携によって今度は「街全体」まで取り扱うことになる?
(猫間滋)