「3月に50代の男が逮捕されたケースでは、債務者に婚約証明書へのサインを強要。あたかも婚約者に金を融通したかのように偽装するなどして、20代女性2人に150万円以上を貸し付けていたようです。定期的な返済とともに、肉体的な奉仕も要求していたといいますからね。コロナ禍で困窮した女性を食い物にする輩は今後も出てくるでしょうね」(社会部記者)
性的行為を条件に金を貸し付ける行為は“ひととき融資”と呼ばれる。債務者がベッドで「ひととき」を提供するのがその名の由来とも言われ、水面下で被害が多発しているという。
今もSNS上では《ブラックでも歓迎》《即日入金!個人融資します》といったコメントが散見され、なかには《女性なら金利優遇》《20代女性なら無審査》などとひととき融資を思わせるPR文もあった。実際にこうしたグレーな業者から融資を受けたという24歳のA子さんが被害実態を証言する。
「借りる人の婚約者にさせられることはありませんでしたが、私の場合はピンク店の従業員という設定でお金を借りました。でも、もうあんな怖い思いをするのはコリゴリです」
働いていた飲食店がコロナ禍で閉店し、収入を断たれたA子さんがSNS上の「融資情報」をきっかけにお金を借りたのは昨年12月頃のことだという。
「当時は電気も止められていて、失業保険が振り込まれるまでの“つなぎ”として5万円を借りたんです。1カ月後に利息1万円を足して6万円を返済する約束でした。その時、『個人間の貸し借りでも違法になるかもしれないから』という理由で、“雇用契約書”にサインをさせられました。彼が店のオーナーで、私がピンク嬢。ここで受け取るお金はお給料のバンス(前借り)という名目でした。そして担保がわりに、プロフィール用の写真を撮られたんです。おかしいと思ったんですが背に腹はかえられず…」(A子さん)
約束の1カ月後、失業保険は振り込まれたものの、滞納していた家賃の支払いなどに消えた。A子さんは利息の1万円を支払うのが精一杯だったという。
「せめて利息だけでも…と1万円を渡したら、『利息はいらないからお店のピンク講習を受けてみる?』と言われ、ホテルに誘われました。お断りすると、『じゃあ1カ月後は全額返済ね。もしできなかったら写真があるから』と脅されて、急に怖くなったんです。知人からお金をかき集めてなんとか完済しました」
性サービス店の講習を装いながら、カラダでの奉仕を求めるこの闇業者も、ひととき融資の新形態といえよう。怪しい業者の融資話にはくれぐれもご用心を…。
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