300円ショップ好調の一方で100円ショップ業界が恐れる「消費増税延期」

 100円ショップの売り上げが低迷しているという。最大手のダイソー(大創産業)は非上場のため業績の詳細は明らかになっていないが、業界2位のセリアは2019年3月期の第2四半期(18年4‐9月)の決算で営業利益が前年同期比で2%減、また業界3位のキャンドゥも、17年11月期、18年11月期で減益となり、19年11月期も減益を見込んでいる。

「業界の傾向として、同じような波がダイソーにも襲っている可能性はあります。そうした中、“300円ショップ”が好調で、パルグループホールディングスが展開する『3COINS』などは雑貨部門でかなりの利益を叩き出しているといいます。今まで300円ショップは100円ショップの豪華版というイメージがあったかもしれませんが、最近は雑貨店として、若い女性からも人気となっているんです」(エンタメ誌編集者)

 ちなみに、300円ショップの魅力についてネット上の声を見てみると、《300円とは思えないおしゃれな雑貨がいっぱい置いてある》《キャラクターコラボ商品があるから好き》《100円ショップとは質がぜんぜん違う》《100円ショップみたいにごちゃごちゃ色んなものを置いてないから商品を選びやすい》といった具合だ。

「大創産業も昨年3月から300円ショップ『THREEPPY(スリーピー)』を展開しており、“ちょっといいもの”を選ぶ消費動向の変化を受け、今後も一気に増え続ける気配を見せています。一方、100円ショップ業界の方は、10月の10%への消費増税による上昇を見込んでいる。前回、消費税8%になった際も軒並み関連株が上がったほどで、やはり消費者は安い方へ流れますからね。しかし、ここへきて首相側近の萩生田光一氏が増税延期を口にするなど怪しくなっていることから、さらなる暗雲が立ち込めているといった状況です」(経済評論家)

 このまま明暗がくっきり分かれることになるのだろうか。

(小林洋三)

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