大谷翔平「DH&守護神」の仰天プラン(2)「12年300億円」の超大型契約も

 チーム内外で圧倒的な存在感を放って大注目される中、開幕前にはこんな仰天プランが話し合われていた。

「エンゼルスはクローザーの質もいいとは言えず、大谷を抑えに転向させる計画がありました。DH、あるいは外野手あたりで打者として出場し、9回に登板するというわけです。これは理にかなっています。クローザーの条件は、スピードボールと三振を取れる変化球があること。大谷は落ちる球も打者の手前で急激に曲がるスライダーも、どちらも一級品で申し分ない。それにクローザーなら試合の展開しだいで投げなくてもいいので、肩を必要以上に酷使せずに済みます」(MLB評論家・友成那智氏)

 事実、米国では「DH&守護神」プランを推奨するメディアもあったという。

「ただ、大谷本人が先発を希望した。モチベーション維持と心もとないチームのローテーション事情もあるため、まずは先発で、ということで開幕を迎えたようです」(友成氏)

 その一方、米スポーツチャンネル「ESPN」で記者による座談会が行われた際、次のような懸念も語られた。

「おおむね10勝以上、30本塁打以上といった好成績を予想していたのですが『ケガが怖い』と、記者たちは口をそろえていましたね」(友成氏)

 確かに開幕後のプレーを見ても、投げて打つだけではなく、2盗塁を成功させるなど、全方位の全力プレー。MLBは1シーズンが162試合もあるため、ケガもさることながら、スタミナ面での不安もなくはないが‥‥。

「その心配はないでしょう。最近の大谷を見て体がひと回り大きくなったと思いませんか。昨シーズンの開幕前から肉体改造に取り組んでいて、それが奏功したことが、今季の活躍を呼んでいると言われています」(在米スポーツライター)

 昨季終了後には、シアトル郊外にある最先端のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」と契約。より効率的な肉体改造や練習方法を実践できるようになった。

「運動力学やデータの収集・有効利用に長けたプログラムを提供する機関で、特に投手の球速を上げることに定評があります。体作りに関しても、故障防止を第一に考えたトレーニングをしているそうです。現在、大谷の体重は100キロを超えて、メジャーのパワーに対抗するための理想的な筋肉を備えています。ケガの心配も杞憂に終わるんじゃないでしょうか」(在米スポーツライター)

 肉体改造により、大谷はさらなる進化を遂げているわけだ。

「メジャーは日本より『投手の肩は消耗品』という考え方が強い。このまま先発として二刀流を続け、例えば2年後にクローザーに転向して3年やったとする。この時の大谷は31歳です。投手としての市場評価はある程度落ち着くでしょうが、そこから打者としての野球人生を送れる。それを考えれば、今後『12年300億円』といった超大型契約を結ぶことも夢じゃないでしょう」(友成氏)

 大谷の「リアル二刀流」は始まったばかり。今後、どんな進化をたどるのか、興味は尽きない。

*「週刊アサヒ芸能」4月22日号より

スポーツ