日本人のおよそ半数が持っていると言われているアレルギー。特に今の季節は花粉症に悩まされている人が少なくないが、これも食物由来のものと並んで多い大変ポピュラーなものだ。しかし、なかには珍しいアレルギー症状を持つ人もごく稀にいる。例えば、ゴム製品に反応してしまうラテックスアレルギーもそのひとつだ。
日本ラテックスアレルギー研究会のホームページで公開されているデータによると、症状を持っているのは一般の方で0.8%。ただし、医療従事者はその割合が一気に高くなり、特にラテックス製の医療用手袋を着用する機会の多い歯科医は13.7%。外科医は7.5%、手術室看護師も5.6%と職業病とも言えるほどの高い割合を示している。
ただし、これはあくまで欧米での統計。日本国内では1.1~3.8%とそこまで高くはないが、それでも医療従事者以外の人に比べて高いのは言うまでもない。
とはいえ、同じアレルギーでも症状には個人差がある。特に怖いのは急激にアレルギー反応が全身に現れるアナフィラキシーショック。厚生労働省の『人口動態統計』によると、19年には62人がこれで亡くなっている。
「アメリカではラテックスアレルギーによるアナフィラキシーショックが報告されており、亡くなったケースもあります」
そう説明するのは、医療ジャーナリスト。ただし、怖いのはそれまで自覚症状がないまま突然アナフィラキシーショックを起こすこと。例えば、避妊具の多くはラテックス製だが、それを着けて性行為中に発症するなんて可能性もゼロとは言えないのだ。
「大人になってある時、花粉症になる方がいるように同じことがラテックスアレルギーにも十分起こりうるわけです。ただし、今は別素材のポリウレタン製避妊具も各メーカーから販売されています。ポリウレタンアレルギーも存在するため、一概にどっちがいいと言えないのが難しいところですが……」
もし行為中に身体の異変を感じたら直ちに中断し、避妊具を外すようにしよう。
(T-Factory)