たぶんまたやるだろうなと思っていたらまたやった。菅義偉首相の「読み間違え」および「言い間違え」だ。
施政方針演説とは、政府の長がその年の政府の基本方針や政策についての姿勢を表明するもの。毎年1月、通常国会の冒頭で時の総理大臣が行う演説で、18日に国会が召集されたことで菅首相がこれに臨んだのだが…。
「ほとんど用意されたペーパーを読み上げたものだったにもかかわらず、『主体』を『ゼンタイ』、『後ろめたい』を『後ろめいた』と読み間違えました。また、その場で訂正はしたものの、『徹底的』を『限定時』、『出産』を『生産』と読み違える場面もありました」(大手週刊誌記者)
このところあまりにもミスが多い菅首相については、過度のストレスで相当に参っているのではと、健康問題を不安視する向きさえあった。特にヒドかったのが13日のコロナ対策本部会議でのこと。緊急事態宣言の対象地域を首都圏だけでなく、大阪などの7府県に拡大するとの発表が行われたのだが、この時、「福岡」を「静岡」と言い間違えた。人口の多さから考えても、福岡を差し置いて静岡をカウントすること自体、冷静に考えれば不自然なのだが、本人がそのことに気づかずにその場で訂正されなかったので、官邸HPでわざわざ訂正が行われているくらいなのだ。
「4日に行われた新年の記者会見でも、記者から解散時期を問われて『秋のどこかで』と答えてしまったのです。もちろん記者としては、適当にはぐらかされるにしても、お決まりの質問だけに一応しておかねばというつもりでした。ところが時期を答えたので『えっ!』と驚く記者を前にして慌てて『秋までのどこかで』と言い直して訂正したんですが、政治の駆け引きで最大の焦点である解散の時期を明言してしまうというのは、総理らしくありませんでしたね」(前出・週刊誌記者)
聞けば菅首相、9月16日に総理大臣になってからほとんど休んでいないのだとか。1月1日の元旦ですら、コロナの感染拡大で緊急会議を開いている。だから頭がボーっとしてしまうのも仕方はあるまい。
だから間違いを連発することで周囲も気をもんだ。だからだろう、コロナが危機的でいつもより緊迫感をもって迎えた国会開会冒頭の施政方針演説は、官僚に用意されたであろう新味のない内容のペーパーを読み上げる安全運転に終始した。しかも、前日の17日には初めての1日完全休暇を取って、演説の復唱に努めたという。ところがそれでも間違えた。
もはやこうなれば「うーん、大丈夫だろうか」と、こちらが困惑するしかない。
(猫間滋)