新天地パドレスのコーチも絶賛!ダルビッシュが専属捕手と習得した新魔球

 2021年、ダルビッシュ有はニュースタイルのピッチングを見せてくれそうだ。

 昨年末、駆け込みトレードでサンディエゴ・パドレスの一員となったトレード劇の一端が見えてきた。

 旧在籍チームのシカゴ・カブスは交換要員の交渉過程で放出とその行き先を伝えていた。そして、ダルビッシュは「可能ならば」とし、移籍するならば、自身の専属捕手であるビクター・カラティーニとの“同行トレード”をお願いしたそうだ。

 そのカラティーニを指名した理由はバッテリーとしての阿吽の呼吸だけではなかった。ダルビッシュは昨季後半から新しい変化球の習得に取り組んでおり、どうやら、それが今季にお披露目されそうなのだ。

「パドレスのラリー・ロスチャイルド投手コーチが一部メディアの取材に応じ、ダルビッシュへの期待を語りました。そのなかで、今までに見たことのない変化球を完成させつつあると伝えたんです」(米国人ライター)

 その“新魔球”は、スプリームと命名された。昨季、ダルビッシュ本人も新・変化球のことは口にしていた。DeNAの山﨑康晃投手が投げていた「落ちる軌道のツーシーム」をヒントに、開発されたものだという。

「右バッターの体近くに落ちていくような軌道。ダルビッシュは自身のツイッターで動画を披露していますが、カブスでの最終年は試合で投げていないようです。投げたのかもしれませんが、クローズアップされていません」(前出・米国人ライター)

 新・変化球にロスチャイルド投手コーチが着目し、メディアに明かした理由は、ダルビッシュの研究熱心さにある。同コーチも噂では聞いていたが、単に持ち球の一つだったツーシームの精度を挙げようとしたのではなく、落ちていく軌道にも留意し、そのイメージ通りに投げるにはどうすればいいのかを考えた点に驚いていた。

「何が自分の役に立つのか、優れた感覚も持っている。彼は他と違っている。ユニークなんだ」とも絶賛していたそうだ。

 新天地・パドレスのコーチとはまだきちんと話ができていない。しかし、キャンプイン前からこれだけ絶賛されれば、今季は勝負球にスプリームを使ってきそうだ。その完成までの過程を知るカラティーニの出番も増えそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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