原巨人の開幕ローテーションにアクシデントが発生した。3月18日の日本ハムとのオープン戦で、開幕投手の優力候補だった菅野智之投手が「1回21球、被安打2、失点1」で緊急降板したのだ。右ヒジに違和感があったという。
試合後、原辰徳監督は「信頼して放任しているわけだから、しっかり調整してくれないと…」と、厳しめのコメントを発していた。
「開幕ローテーションは菅野、戸郷、グリフィン、ビーディ、あとは、赤星か横川。名前はすぐ出てくるんですが、開幕投手が誰になるのかが決まっていません、原監督は18、19日のオープン戦終了後に決めるとも話していたんですが」(スポーツ紙記者)
阿波野秀幸投手チーフコーチの「(違和感の)不安解消のための登板も必要」なる談話も聞かれていたが、3月31日の開幕投手は“菅野以外の投手”から選ばれると見るべきだろう。
「グリフィンか戸郷翔征が選ばれる可能性が大きくなってきました」(同前)
だが、戸郷はWBC大会のため、渡米中。決勝戦(3月22日/日本時間)まで順調に勝ち上がれば、帰国は24日以降となる。時差ボケや体調はもちろんだが、WBC球からNPB公式球への調整も行わなければならない。現実的に31日の開幕戦には間に合わない可能性はあるが、巨人首脳陣は「菅野か戸郷」の二択で初めから考えていたようである。
「東京ドームでのオープン戦2連戦を終えた後(19日)、『戸郷にも連絡する』と決めていました。たとえWBC中であっても、スケジュールを明確にされたほうが調整もしやすいですから」(球界関係者)
この“ホットライン”を加味すると、多少の強行スケジュールとなっても、戸郷が初の栄誉に輝きそうだが…。
当初、戸郷を開幕ローテーションから外し、第3節から、つまり、ローテーションの2巡目から入れる案もあったという。開幕カードは、奇しくも昨季と同じ中日戦。中日は強化試合で侍ジャパンに打ち勝っており、若い選手も多い。ライバル球団を勢いづけないためとはいえ、戸郷への国際電話は深刻な内容になりそうだ。
(飯山満/スポーツライター)