日テレとテレ朝に禁断の同時出演!稲森いずみの“裏かぶり”が許されるワケ

「あれ? と思いましたよ。まさかプライムタイムで他局のドラマに同時出演するとは…。いわゆる“裏かぶり”と言って、テレビ業界ではタブーとされています。その俳優さんについている固定ファンが分断されることになるので、個人視聴率をあてにしていたスポンサーとしては局にクレームを入れて当然の不始末と言えるでしょう」(テレビ誌ライター)

 12月6日夜、よほどのドラマファンでない限り、見落とされがちな“珍事”が起きていた。現在、再ブレイク中と言われる女優・稲森いずみ(48)が、日本テレビとテレビ朝日のドラマに出演。放送時間がかぶっていたことで、テレビ業界では「さすが売れっ子」との声があがっている。

 この日、夜9時からテレビ朝日系列で放送されたのは渡辺謙(61)主演の「逃亡者」。前日の12月5日から二夜連続でオンエアされたスペシャルドラマの後編で、「妻殺害」の濡れ衣を着せられた渡辺謙演じる医師が、真犯人を追い詰めていくストーリーがスリリングに描かれた。豊川悦司(58)演じる“追跡者”の刑事との攻防も視聴者には好評のようで、ネット上でも《ハリソン・フォードの映画版よりも胸アツだった》《刑事役のトヨエツ、やっぱいいヤツだったな》《劇場公開してもいいレベルの完成度だった》と、絶賛する書き込みが見られた。

 そんな男くさいドラマに華を添えたのが稲森いずみだった。

「稲森さんの役どころは、大学病院の女医。陰ながら渡辺謙演じる加倉井をサポートするのですが、途中でトヨエツ扮する刑事にしつこく尋問されることに。『弁護士がくるまで話さない』と頑なに捜査協力を拒むシーンが印象的でした」(前出・テレビ誌ライター)

 この大型スペシャルドラマは夜10時55分までオンエアされたが、10時30分から真裏の日本テレビで放送されたのが「極主夫道」。主人公の元ヤクザ・龍がかつて籍を置いていた組織・元天雀会の姉御・江口雲雀を演じるのが稲森だ。

「コメディドラマの極道の妻役ということでかなり吹っ切れた演技が話題になっています。12月6日に放送された第9話では、パート先のスーパーに竹中直人演じる会長が現れて難癖をつけてくるのですが、いずみ姐さんはそれを一喝。和服姿でタンカを切るシーンはこのドラマの名物となっています」(テレビ誌ライター)

 テレ朝では芯のある優秀な医師、かたや日テレでは極道の妻。くしくも両極端な2役を同時放映で演じることになった稲森だが、テレビ関係者によれば、

「番組サイドからあらかじめスポンサーにお断りを入れていたかもしれませんが、おそらく裏かぶりに気づいた視聴者は数えるほどだったのでは…。それこそカメレオン女優の真骨頂で、稲森さんの演技力の幅の広さが功を奏したと言えるかもしれません。連ドラ同士の重複は大問題になりますが、『逃亡者』は二夜連続ドラマの後編なので、視聴率への影響もそれほどなかったと見られます。また、稲森さんの所属事務所は大手でドラマ業界ではキャスティングにも影響力を持つと言われているので、お咎めなしで済みそうですね」

 裏かぶりでも許されるのは、売れっ子女優の証明と言えるかもしれない。

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