最終回が配信され、ネットドラマでは歴代1位の記録的大ヒットとなったディズニープラスの時代劇「SHOGUN 将軍」。作品自体もさることながら主演を務めた真田広之への評価がうなぎ上りで、早くもドラマ版のアカデミー賞「エミー賞」の最優秀主演男優賞の最有力候補とも呼ばれている。
そうした中、米国の映画・ドラマ関係者からは、「ケン・ワタナベ(渡辺謙)を超えた」との声も多く聞かれる。2人とも03年公開のトム・クルーズ主演映画「ラストサムライ」を機にハリウッドに進出。ともに強烈な存在感を放っていたが、役の序列が上だった渡辺がアカデミー賞やゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされ、海外でも一気にスターへと駆け上がっていった印象がある。
「一方、米国進出後の真田さんはバイプレーヤー的なポジションでした。しかし、日本の作品にも継続して数多く出演している渡辺さんと違い、彼は米国移住後に日本の映像作品にはほとんど出なかった。ハリウッドで地に足をつけて活動してきたのがようやく実を結んだかたちです」(米国在住ライター)
ただし、現地の映画・ドラマ関係者の間では、以前からその実力は高く評価されていた。特に日本が舞台だったヒュー・ジャックマン主演「ウルヴァリン:SAMURAI」やキアヌ・リーヴス主演「47RONIN」(いずれも13年公開)では、小道具や日本独特の細かい所作など演出・演技について俳優陣やスタッフに助言。そうしたこともSHOGUNでの“プロデューサー兼任”起用につながったと見られている。
「SHOGUNが“ハリウッド史上もっともリアルな日本の時代劇”と評されるのは真田さんの功績が大きい。衣装や美術、殺陣まで、真田さんの人脈で時代劇のプロを集め、日本人が見ても違和感のない作品に仕上がっています。日本ブームですし、今後はそうしたプロデュースの仕事も増えていくのでは」(同)
“世界のヒロユキ・サナダ”の次の幕から目が離せない。