一年の間に”夫婦の日”と呼ばれるものはいくつもある。朝日新聞社や味の素などが87年に毎月22日を「夫婦の日」にしたと思えば、同じ年に株式会社OS司会センターの末広幸子代表(当時)は2月2日を夫婦の日として提唱。さらに翌88年には財団法人余暇開発センター(現・日本生産性本部)が11月22日を「いい夫婦の日」に定めている。
そして94年、国連が国際家族年と定めたことを機に、講談社が4月22日を「よい夫婦の日」として発表。その1年で話題になった夫婦に贈る「ナイス・カップル大賞」毎年授与するようになった。授賞式は2010年まで毎年行われていたが、”よい夫婦”に選ばれたものの、のちに離婚しているカップルが少なくない。
例えば、第4回(97年)に受賞したのは作家でミュージシャンの辻仁成と女優の南果歩。1男をもうけるも00年に離婚。それぞれ中山美穂、渡辺謙と再婚を果たすも後に2人とも再び離婚に至っている。
第5回(98年)には前年に大相撲を引退した元大関・小錦と元人気モデルの塩田寿美歌さんが受賞。しかし、こちらも00年に破局を迎えている。
そして、第7回(00年)には俳優の川崎麻世とタレントのカイヤが受賞。よい夫婦どころか長い別居生活と離婚裁判でドロ沼化。昨年、ようやく離婚が成立している。
第10回(03年)受賞者の歌手の森進一、森昌子も2年後の05年、第14回(07年)受賞者の歌手の高橋ジョージとタレントの三船美佳も16年に夫婦関係を解消している。
実際にナイス・カップル大賞の授賞式を取材したことがある芸能ジャーナリストは、「この手の賞は話題性重視で、本当に仲睦まじいのかは二の次。受賞時にはすでに夫婦関係が破綻しており、ビジネス夫婦を演じていたなんて話もあるほど」と話す。
テレビやCM、イベントで共演する芸能人カップルは多く、なかにはおしどり夫婦なんて呼ばれている者たちもいる。だが、仲の良さはあくまで表面上だけで本当は離婚まで秒読みなんてケースも珍しくないのだ。