マッチングアプリで“性接待”に励むマルチ女の実態「5000円の1カ月契約で…」

「まだ販売員になってからは3カ月も経ってないんですよ。最初は今の会社の製品の愛用者ではありましたが、販売員ではありませんでした。コロナ禍で気持ちが沈んでいる時に、大学時代の先輩から、ぐっすり眠れるというサプリをもらったのがきっかけですね。これが気に入って、『どこで買えるんですか?』って聞いたら『お店じゃ売ってないの』と言われ、はじめて販売システムについて説明を受けました。正直、儲けたいとかじゃなくて純粋に周囲に勧めたいと思う気持ちからですね」

 こう話すのは副業でネットワークビジネスに勤しむOLのA子さん(27)。ネットワークビジネスとは、販売員が販売員をスカウトするような形で販売網を構築。ピラミッド状の組織を形成して、上位に位置するほど多くの報酬が得られることで知られている。

「働いているのが旅行業界ということもあって、今年はボーナスゼロ。給料も各種手当を大幅にカットされたことで、基本給では家賃を払うのがやっとの状態。会社も副業には寛容になってきたものの、今さらウーバー(イーツ)とか始めるのも億劫だったので…。そんななかで販売報酬が入金された時はうれしかったですね。今はまだ数千円レベルですが、ちょっと希望が出てきたという感じです」

 そんなA子さんが販路拡大と勧誘で駆使しているのがマッチングアプリだ。

「プロフィールには販売員のことは書いていませんが、わりと顔写真はハッキリとアップしているので、デートの申し込みは多いですね。最初のデートでも言いません。2回目以降のデートで『先輩の家でホームパーティーがあるからつきあって』『友達に紹介したい』と声をかけて、上のランクの人たちで囲い込むパターンですかね。お金に困っていたり、将来に不安を抱いている男性ほど、話にのってくる傾向が強いかもしれません」(A子さん)

 マッチングアプリを利用する男性諸氏は、ぜひとも気をつけてほしいところ。だがその一方で、A子さんがこれまで会った中には、性的関係を持った男性もいるという。

「じつはこの販売の副業を始めたことがきっかけで、つきあっていた彼氏と別れてしまったんです。ネットワークビジネスの話をしたら、『そんな商売は辞めろ』と言ってきたから大喧嘩。私は自分の幸せをとことん追求したかったので最終的には別れを選びました。だからマッチングアプリで知り合った男性とホテルに行くのは、元カレへのアテツケですかね。ただ単に性的な欲求不満を解消することもあれば、『1カ月だけでいいから助けて』と契約を条件に関係を持ったこともあります。いつか元カレの前で高級外車に乗ってるのを見せびらかしてやりたい」(A子さん)

 マルチの勧誘をしつつ、性的欲求を満たす。一石二鳥との見方もできるが、こうした肉弾営業をしかける“マルチ女”がコロナ禍で急増しているという。ネットワークビジネスに詳しいジャーナリストが明かすには、

「パパ活をするほど若くないし、体を売るのも踏ん切りがつかない。そんな女性がネットワークビジネスに参入しているという話はよく聞きます。カラダの関係なしで契約が取れるに越したことはありませんが、あとひと押し…というところでオトナの関係を提案してくるケースが増えているそう。実際、私の友人は水素水1カ月分を5000円で契約して“性接待”を受けたのですが、翌月にはさっそく解約。とくにクレームなどはなかったと聞いています。そういう意味では後腐れがない関係とも言えますね」

 彼女たちはこれから何を手に入れ何を失うのか、幸せを願ってやまない。

(石丸徹)

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