恋人探し中の大学生がカモに…マルチ商法でもマッチングアプリが悪用される罠

 マッチングアプリを悪用し、マルチ商法の勧誘を続けたなどとして、警視庁は7月10日、特定商取引法違反の疑いでビジネススクールの運営グループ幹部ら4人を逮捕した。

 4人は去年3月、運営していたビジネススクールが違法なマルチ商法をしていたとして東京都から業務停止命令を受けていたが、その後もスクールの名称を変えるなどして、グループのメンバーに勧誘させていた疑いが持たれている。

 同グループはマッチングアプリを悪用して、主に恋人を探している大学生を喫茶店に誘い出し、いわゆるマルチ商法の手法でビジネススクールへの入会を違法に勧誘。およそ2000人を勧誘して8億円以上を集めていたという。

 その手口は、アプリを通じて知り合った異性に喫茶店で会い、家族の話などをしている中、今通っているというビジネススクールの話をされ、一度詳しい話を聞いてみないかと誘われる。後日、別の喫茶店でその仲間を紹介され、入会金約43万円で入会を勧められると同時に、「会員を新たに勧誘すると1人10万円の報酬になるので、5人紹介すると元が取れる」などと言われる。入会金がない人には消費者金融からの借り入れを促されるケースもあったという。

 マッチングアプリでの詐欺といえばマルチ商法のほか、投資詐欺、デート商法、結婚詐欺、国際ロマンス詐欺などいろいろあるが、いずれも恋愛関係を匂わせられ、嫌われたくないという心理を利用したもの。

 怪しい相手の見分け方としては、マッチングアプリ以外のメッセンジャーアプリなどの手段で連絡を取りたがろうとしないか、年収や職業、貯金額を知りたがっていないか、儲け話やビジネスの話をしてこないかなどがある。少しでも怪しいと思えば周囲の人間に相談するか、それがしづらい場合は国民生活センター消費者ホットライン「188」に電話したほうがいい。

 マッチングアプリで出会った人と交際・結婚したという話は今では珍しくないが、一方では、こんなリスクも孕んでいるということだ。

(鈴木十朗)

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