巨人二軍ヘッドに熱血漢を招聘!異例のコーチ人事に見る“阿部政権”への布石

 巨人が異例のコーチ人事を決めたようだ。阿部慎之助二軍監督の補佐役として、韓国球界で2球団の監督を経験した金杞泰(キム・キテ)氏を二軍ヘッドコーチとして招聘するという。2004年の山本功児氏、05年の淡口憲治氏、08年の岡崎郁氏など前例はあるが、二軍組織において、助言・参謀役となるヘッドコーチを置くことはほとんどない。まして、外国人コーチである。この異例の人事には“次期指揮官の教育”も含まれていた。

「監督とヘッドコーチは職務の質が大きく異なります。ヘッドはゲーム展開を先読みし、代打、投手継投の準備をさせます。かといって、戦略を進言するのではなく、監督がどんな作戦を選択しても困らないように準備をするのが大きな役目です」(プロ野球解説者)

 このヘッドコーチ論を阿部二軍監督の側から見ると、ヘッドコーチを始め、各担当コーチに自分がどんな戦略を執るのかを伝えておかなければならない。ヘッドコーチを置くことで「どんな野球がやりたいのか」を明確にさせる狙いがあるようだ。

「指導者1年目の阿部二軍監督は、チームのまとめ役だった現役時代の延長でした。阿部二軍監督が怒れば、ベンチに緊張感が走りますし、『やれ!』と指示されれば誰も逆らえません。これからはコーチを介した形で選手に指示を出していくことになりそう」(ベテラン記者)

 もっとも、これから阿部二軍監督の意図を汲んで動く金氏だが、巨人コーチは初めてではない。07年は育成担当、08年から2年間は二軍打撃コーチを経験している。その頃から熱血漢として知られ、そういう点では、自らバットを振るなどして打撃指導をしてきた阿部二軍監督に近いものがある。

 2人は旧知の仲でもあり、気は合いそうだが、こんな指摘も聞かれた。

「村田修一、杉内俊哉の両コーチが来季から一軍担当となる予定です。スコアラーやフロントスタッフが一目を置いているのが、元木大介ヘッドコーチです。スコアラーが上げてきたデータを鵜呑みにするだけではなく、『自分はこう思うのだが?』と独自の見解を示して鋭い質問をしてきます。村田、杉内両コーチは元木ヘッドに鍛えられることになりそう」(前出・ベテラン記者)

 両コーチは阿部政権のための先乗り部隊とも目されている。一、二軍ともに阿部政権に向けて舵を取ったということだろう。

(スポーツライター・飯山満)

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