史上初の珍事!原巨人を日本シリーズで待ち受ける“全試合アウェー”の大逆風

 いよいよ11月21日に第1戦を迎える日本シリーズ。

 セのペナントはぶっちぎりだったが、巨人の不安要素は尽きない。菅野智之(31)以外の先発が安定感を欠くこともさりながら、目下、緊急事態宣言発令中なのはリリーフ陣のほうだ。

「チームトップの37試合登板で、防御率1点(10月28日現在、以下同)の中川皓太(26)が離脱した穴を埋められずにいます。先発の田口麗斗(25)の配置転換や1.5軍選手のワンポイント起用で急場しのぎをしているのが現状。中継ぎの救世主として今季途中に加入した高梨雄平(28)も、ソフトバンク相手に通用する保証はない。そもそもパとの対戦で見限られてトレードに出されたわけですから」(スポーツ紙デスク)

 リリーフ陣につられるように、打線の要にも一抹の不安が漂っている。

「10月に入って急失速の岡本和真(24)ですが、古傷の腰の具合が芳しくないようです。シリーズ中に爆発しないように、消化試合では静養に努めてもらいたいのですが……」(巨人OB)

 マイナス要素が並ぶ巨人に対して、ソフトバンクは攻守ともにタレントが充実している。チーム防御率は2.96。先発が6回まで投げれば高橋礼(25)、モイネロ(24)、森唯斗(28)でほぼ確実に逃げ切ることができる。もちろん、首位打者と最多安打のタイトルを射程に入れる柳田悠岐(32)が牽引する打線も切れ目がない。

 足をすくわれるとすれば、やはり指揮官の采配が最大のカギと言われるが、

「工藤監督はバットに当たった瞬間に三塁ランナーがホーム目がけて走るギャンブルスタートのような、ビッグプレーを好みますからね。合理的な思考の持ち主なのに、トップバッターの打率と出塁率が低い傾向にあるのも気になる。1番に重用している周東佑京(24)も、足は速くても決してコンタクト率の高いバッターではありません。大味な采配がCSでハマらなければ、シリーズ進出を逃すことも……」(スポーツ紙デスク)

 順調にいけば、巨人vsソフトバンクの日本一決戦となる、今季シリーズ。巨人のホームゲームは東京ドームが都市対抗野球で使用できないため、京セラドーム大阪で開催されることになったが、

「京セラはソフトバンクにとって本拠地も同然です。ぶっちぎり最下位のオリックス相手とはいえ、今季は同球場で9勝2敗1分けの高勝率。コロナ禍で外出もままならない中での遠征になる巨人の負担は計り知れません。その点、Wホームのソフトバンクのほうがアドバンテージを得られそうです。なお、巨人が日本シリーズで本拠地以外の球場を使用するのは史上初の珍事となります」(スポーツ紙デスク)

 巨人が全試合アウェーでの戦いを強いられるとは……。日本シリーズまでコロナに振り回されっ放しの今季であった。

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