今、クマが熱い‥‥と言っても、石川や福井で暴れたツキノワグマではない。北海道土産の定番、木彫り熊のことだ。最近では土産物として種類豊富な菓子や海産物が主流になり、すっかり影が薄くなった。だが、かつてはどこの家庭でも玄関や床の間に飾られていたものだ。そんな木彫り熊のブームが再燃している。
昨年、都内のギャラリーで開かれた展示では、8000人の集客があったという。また、数年前から木彫り熊をカラフルにペイントしてリメイク。SNSで公開する人たちも現れている。それゆえ、中古市場でも価格が急騰中なのだ。
「北海道八雲町が木彫り熊の発祥地ですが、そこで活動する木彫り熊作家がいて、その手による作品はヤフオクではウン十万円の値がつきます。でも、芸術品になると、見た目が熊に見えないこともあります」(ヤフオクウオッチャー)
先頃、某作家の木彫り熊が1000円で出品されるや、入札が相次ぎ、最終的には63万円で競り落とされた。その作品は粗削りで制作途中の熊にしか見えない。黒光りの口に鮭をくわえた、定番の木彫り熊は需要がないのだろうか。
「土産物の普通の木彫り熊だと、相場としては2000円ほどです。ただ、塗装されていない木目があるようなシンプルな作風で目にガラス玉が埋め込まれていると、相場よりも高値になる傾向があります」(前出・ヤフオクウオッチャー)
押し入れの奥にしまい込んだ熊の目を一度、確認してみたほうがよさそうだ。