大山悠輔が本塁打王のタイトルを逃した場合、矢野阪神は立ち直れないだろう。
阪神・福留孝介外野手も阪神を去るのか…。
一部メディアが球界最年長、福留が事実上の戦力外通告を受けたと報じた。
「今季は出場試合数も激減し、打率1割5分4厘(43試合)と不振に陥っています。レギュラーがスタメン落ちすると、調子をさらに落とすものです。4打席立てるレギュラーとベンチスタートではリズムが違いますから」(ベテラン記者)
思い出されるのが、昨季、生え抜きのチーム功労者・鳥谷敬を襲った悲劇だ。当時のファンの混乱を考えれば、ベテランに相応しい引き際も用意できたはずだ。
「41歳の能見篤史も来季の構想外であることを通達されました。『タイガースは今年が最後』のコメントからして、他球団に新天地を求めるのは必至です」(在阪記者)
福留、能見。笑顔で引退会見を行ったのは藤川球児だけであり、2年続けての悲劇となれば、そのダメージは計り知れない。
能見の構想外が明るみに出た10月22日、こんな声も阪神関係者の間で飛び交っていた。
「(巨人の)岡本に並ばれた」
甲子園での広島戦の最中だった。神宮球場での巨人戦の途中経過が甲子園球場のセンターバックスクリーンに映し出され、詳細は観客にはわからなかったが、岡本が大山に並ぶ26号本塁打を放ったことが阪神ベンチに伝わっていた。
「チームは優勝を逃し、そのうえ、個人タイトルまで逃したとなれば…」(前出・在阪記者)
藤川は日米通算250セーブを達成できないまま、現役を引退する可能性が極めて高い。福留、能見はチームの牽引役でもあった。2人を同時期に喪失するショックを少しでも軽減できるとすれば、誰かが個人タイトルを獲ることだった。
「本塁打王争いは、大山有利と見られていました。岡本のいる巨人は優勝争いをしているので、当然、マークも厳しくなりますからね。しかし優勝が決まれば、どう転ぶかわからなくなってきます」(前出・在阪記者)
フロントは容赦なく、不退転の決意で改革を進めているとも解釈できるが、大山がタイトル争いに敗れたとき、ベテラン・ロスの大ショックは計り知れないものとなりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)