自前主義の「ニトリ」がM&Aを検討!?「島忠」買収で得られるメリットとは?

 10月20日、家具製造販売大手のニトリホールディングスが、ホームセンターの島忠の買収を検討していると各メディアが一斉に報じた。島忠に対してはすでにホームセンターのDCMが完全子会社化に向けて株式公開買い付け(TOB)をおこなっており、ニトリが買収に乗り出した場合は敵対的TOBになると見られ、争奪戦が繰り広げられることになる。

「ニトリは今回の報道について『島忠も含め、M&Aを通じた成長の可能性を日々検討しているが、現時点で決定している事実はない』とコメントしていますが、買収に動く可能性は高いのではないでしょうか。なお、DMCは10月5日から11月16日まで1株4200円で島忠へのTOBを実施していて、投資総額は最大で約1600億円になると見られています」(経済ジャーナリスト)

 これまでニトリは製造から販売、流通に至るまですべてを自社でまかなう「自前主義」を貫き、一見、M&Aには積極的ではなかった。それがなぜ、ここへ来て島忠に目をつけたとの話が飛び出したのか。

「2018年〜19年の国内家具売上高は約1兆3999億円となっていますが、インテリア業界でニトリは43.4%のシェアを獲得しています(売上高6081億円)。そこへ、DCMがTOBによって同業界3位の島忠を傘下に収めたとなると、インテリア業界とホームセンター業界の垣根が徐々に薄れる風潮にあるなか、ニトリにとっては強力なライバルとなり得るのです。また、島忠は埼玉・東京・神奈川など首都圏をメインに店舗展開しているため、郊外店の多いニトリとしては非常に魅力的と捉えることができるためでしょう」(前出・経済ジャーナリスト)

 果たしてニトリが島忠争奪戦に参戦し、”お値段以上”のものを手に入れる可能性はあるのか。

(小林洋三)

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