“転売”に神経を尖らせるジャニーズが「スマホチケット」を導入しないワケ

 嵐のドームツアー「ARASHI Anniversary Tour 5×20」後半戦が、4月13日のナゴヤドーム公演からスタートする。来年末での活動休止を発表したことで、これまで以上にプラチナチケット化しており、転売サイトでも価格が高騰している状況だ。

 その転売に対してジャニーズ事務所サイドは厳格な対策を取っており、入場時には身分証明書による本人確認を徹底。転売が判明した場合は公式サイトのJohnny’s netに「無効チケット」の席番号を掲載し、該当席は再抽選でファンクラブ会員に販売するという。

「嵐のツアーではQRコードをメールで送るデジタルチケット化が行われており、従来のような紙チケットの売買はできなくなっています。しかしメールは簡単に転送できるため、転売を防ぎきれないのが現実。そこを本人確認の厳格化で対応しているわけですが、敵もさるもの。偽造IDカードの作成代行や、偽造に使えるソフトを販売するなど、さらに手が込んできているのです」(芸能記者)

 そんなジャニーズ側の対策を巡って、他の芸能関係者からはこんな疑問が浮かんでいるという。アイドル誌のライターが指摘する。

「アイドルのコンサートでは最近、スマホそのものがチケットになる“スマホチケット”が増えています。スマホにインストールした専用アプリにQRコードを表示させたり、電話番号を認識して他のスマホにチケットを転送できないようにするなど、転売対策もバッチリ。スマホごと転売するという荒業はありますが非現実的ですし、いまやスマホを持っていない人など皆無に等しいので、なぜジャニーズが転売対策や本人確認が容易になるスマホチケットを導入しないのか、実に不思議ですね」

 すでに各種のコンサートやテーマパークの入場券などにも採用されているスマホチケット。だがジャニーズ側には、その仕組みを採用したくない理由があるというのだ。前出の芸能記者がささやく。

「スマホチケットの難点は、チケットのシステムを運用する業者に購入者名簿が流れてしまうことです。もちろん業者側ではその名簿を他のビジネスに転用したりはしないものの、ジャニーズにとってはファンクラブの会員名簿はまさに飯の種であり、門外不出の最重要データ。それゆえ会員情報を他社に閲覧させるような真似はできないのも当然でしょう。ジャニーズがスマホチケットの業者を買収する手もありますが、そうなるとシステムの保守なども自社の責任になり、さすがに手に負えないのは明らか。そのため現状のデジタルチケットがジャニーズにとってはデジタル化の限界でしょうね」

 事情は理解できるものの、それでもスマホチケットを導入してほしいというファンも少なくないことだろう。

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