月を見ているとなぜか無性に食べたくなる!? SNS上では“月見シーズン”の到来を歓迎する声が多くアップされている。9月2日から期間限定で販売がスタートしたマクドナルドの「月見バーガー」。今年は従来の商品に加え、新たに「濃厚ふわとろ月見」が登場し、ファンの注目を集めている。
「CMが流れるたびにTwitter上では《今年も絶対食べないと!》《月見バーガー食べたい》《月見マフィン含めて朝昼晩と食べてしまった》といったコメントが見られますが、今年いちばんの変化は、コロナ禍によってUber Eatsが普及した点。わざわざ外出しなくてもスマホの操作だけでデリバリーしてもらう環境ができたため、ついつい1日に何度もオーダーしてしまう中毒者が急増したとか。Uber配達員にとっても、この月見シーズンは効率よく稼げるとあって、常にマック付近に待機する“マック地蔵”なる現象に拍車がかかっています」(フードライター)
バツグンの人気を誇る月見バーガーが発売されたのは1991年9月24日。当時の新聞には「月見バーガーはパティ(ハンバーグ)の上にベーコンと目玉焼きが載った商品で、二百九十円」(日刊工業新聞より)と紹介されていた。
「じつは91年といえば、マックが多くの“没メニュー”を生んだ年とも言えます。5月に登場した『フライドチキン』に続いて、7月には都内の店舗限定で『マックピザ』なる商品を発売。これはアメリカで売られていたものをそのまま日本に持ち込んだのですが、なかなか定着せずにひっそりと姿を消すこととなりました。また、この年にもっとも力を入れたのがライスメニュー。夕方5時からの限定メニューとして中華弁当『マックチャオ』を売り出したのですが、山田邦子さんを起用したCMをバンバン流したのにもかかわらず、すぐに飽きられてしまい、翌年には姿を消すこととなってしまいました」(経済ジャーナリスト)
ハンバーガー以外のヒット商品を! こんな目論見もあって、チャレンジ精神あふれる意欲作を次々とリリースしたものの、どれも鳴かず飛ばずに終わったのだが…。
「多くの新商品が投入されたなかで、それほどプロモーションに力を入れていなかった月見バーガーが生き残ったのは奇跡と言っていいでしょう。その月見バーガーがもっとも存在感を放ったのが“狂牛病問題”に揺れた2001年。この年、9月に国内でBSE感染牛が確認され、牛肉離れが起きました。マックの既存店売上が2割近く落ち込んだなか、売上を支えたのが月見バーガーでした。この年の貢献度はかなり大きく、たとえ売上が落ち込んだとしても、月見バーガーを秋のメニューからはずすことはないと思いますよ」(前出・経済ジャーナリスト)
今年も販売期間が終わるまで、たっぷりと“月見”を堪能しようではないか。