今回は「人望がないから(受けられない)」ではなかったようだ。
3月5日、菅義偉官房長官は、国民栄誉賞の“令和1号”として3月に引退したばかりの元プロ野球選手・イチローに打診したものの、イチローサイドから辞退の連絡があり受賞検討を見送ったことを明らかにした。イチローの国民栄誉賞辞退は、2001年と04年に続き、今回で3回目。
先の引退会見でイチローは、将来の監督就任について訊かれ「人望がないから(できない)」と答えていたが、さすがに今回はそうではなく、代理人を通じた辞退理由は「人生の幕を下ろした時にいただけるよう励みます」というものだった。
これには世間も即座に反応。ネットの声は「さすがイチロー」「そんなの欲しがるわけがない」「政治利用されたくないだけでしょう」と、辞退を支持する声が圧倒的。また、「これまで受賞した人と並べられたくないんじゃない?」「引退した松井秀喜がもらってるからじゃね?」と、ちょっとひねくれた意見もチラホラ。確かに国民栄誉賞には功労賞的イメージもあるため、イチローは「草野球でも」と今後も“現役”で野球を続ける発言していたことから、辞退は自然の流れだったのかもしれない。
「これまで6人に国民栄誉賞を授与してきた安倍首相のこと、イチロー人気にあやかりたい政府の気持ちもわかりますが、メジャーを辞めてまだ数日。本人はすぐにシアトルに帰りましたし、そんな政治色の強い賞をもらって身動きがとりづらくなるのも嫌なのでしょう。ネットにあった《イチローは自分で全てつかみ取ってきた。だから与えられる賞なんか要らないんだよ》というコメントが象徴していますよ」(週刊誌ライター)
国民栄誉賞を受け取らなくとも、イチローというスーパースターがが日本人の誇りであることは間違いない。
(飯野さつき)