「ショックでした、本当に…」
フジテレビの“捏造疑惑”にショックを隠し切れなかったのは東野幸治だった。自身のYouTubeチャンネルで、「ザ・ノンフィクション」の話題に触れ、「とにかくボクはマキさんがケンカしているところを見たい。マキさんが怒鳴り散らしてるところを見たい」と語っていた。
コトの発端は「週刊女性」(7月21日号)が「『ザ・ノンフィクション』人気出演者が怒りの告発」と題して報じた記事。1995年から続く長寿ドキュメンタリー番組において、2008年からたびたびオンエアされている「マキさんの老後」シリーズで密着取材を受けていたマキさんが、「過剰演出」を告発したのだ。
「マキさんはオカマでパートナーのジョンさんはオナベという珍しい夫婦の形を取り上げた人気シリーズです。東野幸治さんが語っていたように、時折、マキさんが気性の激しい一面をさらけだしていたのが視聴者の関心を呼んでいました。ところが記事によると、マキさんがディレクターから『とにかくケンカしてください』とけしかけられ、さらにケンカシーンでは、ワインを割ったかのように、ガチャンとボトルが割れた効果音までつけられたと憤慨していました」(芸能ライター)
フジテレビといえば、恋愛リアリティー番組と銘打っていた「テラスハウス」でも、出演者の男性に対して「(女性出演者の)胸をさわれ」という指示があったとする同様の“ヤラセ演出”があったとして大問題になっている。フジテレビと関係の深いフリーのプロデューサーは問題の背景に「過剰なコストカットがあった」としてこう解説する。
「じつは5年ほど前から、フジテレビが制作会社に支払う番組の予算をどんどん削っているんです。DVD化はもちろん、再放送もなかなかできない関係で、ドキュメント番組はその傾向がとくに顕著で、かつては500万円以上出ていた1本あたりの制作費が今では半値にまで下げられるケースも少なくありません。となると、人件費もかけられず、じっくりと長期にわたって密着取材をするわけにもいかない。それでも“いい画”を要求されるので、ディレクターとしても“お願い”するしかなくなるわけです。ただ、『ザ・ノンフィクション』に関しては赤字覚悟で取り組んでいる気骨のある制作会社もあります。7月12日から2週にわたってオンエアされている大阪の大家族モノは、視聴者からの反響も大きいようです。7男6女の子供を育てた居酒屋のオーナーが、このコロナ禍と闘いながら、自身も新型コロナウイルスに感染してしまうという、壮絶な展開が待っているようで、この大家族モノだけは“過剰演出”がないことを祈りたいですね」
前編がオンエアされるや話題となった「ザ・ノンフィクション」の「お父さんと13人の子ども 後編 〜新型コロナと大家族〜」は、関東圏では7月19日にオンエアされる。《ここ数年のなかで一番の問題作》とネット上でも注目度の高い作品になっており、おそらく東野幸治もテレビにかじりついて鑑賞するに違いない。
(大友宗)