「万死に値する」劇場クラスターに大激怒!尾上松緑は“悪魔崇拝者”だった

 一人の歌舞伎俳優の“檄文”がネットをザワつかせた。

 事の発端は、6月30日から7月5日までに発生したとされる「舞台クラスター」。新宿の劇場「シアターモリエール」で行われた舞台「THE★JINRO—イケメン人狼アイドルは誰だ!!—」において、主演の山本裕典と企画に携わった映画評論家の有村昆をはじめ、出演者とスタッフ総勢21名の新型コロナ感染が7月12日までに確認された。

 この事態に怒りをあらわにしたのが歌舞伎俳優の四代目尾上松緑(おのえしょうろく)だった。尾上は12日に自身のブログを《ふざけるなよ》という書き出しで更新。《新宿のと或る劇場で舐めた真似してくれたらしいな》と、舞台クラスターの話題に触れ、体調不良を訴えた出演者がいながらも、全公演を強行開催した主催者側の姿勢を、次のような厳しい言葉で糾弾した。

《全舞台業界のプロフェッショナル達が血を吐き、涙を流しながら、臍を噛む思いで此処まで我慢して、踏ん張って、踏み留まって来た事が今、水泡に帰したらどう責任を取ってくれるんだ》

《覚悟もへったくれも無い世間知らずの小僧共が生半可な気持ちで遊び半分に首突っ込んで掻き回していい世界じゃない》

 8月1日からは東京・歌舞伎座の公演が5カ月ぶりに再開されるとあって、感染防止に向けて万全の態勢を整えるべく、出演者やスタッフは一丸となって準備を進めていたという。その矢先に発生した舞台クラスターは、日本の演劇界全体に暗い影を落とすこととなった。未然に防ぐことができた可能性も指摘されているとあって、尾上が激怒するのも納得できる。《慎め、餓鬼》《舞台を舐めるなよ》と締めくくった怒りのブログは、たちまちネット上で話題となり、翌日のブログで尾上当人が《日記のアクセス数も通常の十倍以上になっていてびっくりした》とつづっている。

 いったい尾上松録とはいったいいかなる人物なのか。歌舞伎界に詳しい芸能ライターは、「今回のブログはプロ意識の高さから使命感に駆られて思いをつづったのでしょう」と推察し、その意外な人物像を明かした。

「初代尾上辰之助を父に持ち、4歳で国立劇場の舞台に立った“サラブレッド”です。その一方、中学時代にはバンド活動にいそしむなど“ヤンチャ”な面もあったようです。洋楽一辺倒だった松録さんが、唯一認めた国内バンドがヘヴィメタの聖飢魔II。ライブをミサと称し、悪魔教を布教するための“教団”ですね。ボーカルのデーモン閣下とは今やすっかり飲み友達。2人は“10万歳以上”も年がはなれていますが、松録さんは幼い頃に父と祖父を亡くしていることもあって、いい兄貴分のような存在だとか。歌舞伎とヘヴィメタで、住む世界はまったく異なりますが、発声などについて何かとアドバイスを受けていました」

 聖飢魔IIのサウンドをこよなく愛した“悪魔崇拝者”で、デーモン閣下と親交がある尾上松緑。今回のブログ騒動で初めてその名を知ったという人も多いはず。ぜひ一度、歌舞伎座でプロフェッショナルの舞台を観劇したいところだ。

(あまねかずこ)

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