「新宿伊勢丹」コロナ感染拡大も“クラスター認定なし”に疑問の声

三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、東京にある「伊勢丹新宿店」で7月28日から8月3日までの一週間に従業員や販売員73人の新型コロナウイルス感染が確認されたことを明かした。ただ、保健所からはクラスター(感染者集団)が発生したとの認定は受けていないとも報じられている。

「現在、都市部の百貨店では従業員のコロナ感染が相次いでいて、『阪神梅田本店』では5日までに128人が感染し、7月31日と8月1日には全館を休業して消毒を実施し、感染者が多かった1階と地下1階のフロアは現在も休業しています。また、伊勢丹と同じく新宿にある『ルミネエスト新宿』では7月21日から8月3日までにテナント従業員など59人が感染。4日は臨時休業して一斉消毒を実施しています」(報道部記者)

 一方、伊勢丹新宿店では感染者が多かった本館地下1階にある15店舗は休業させるものの、5日時点ではフロアの閉鎖や全館休業させる予定はないとしている。これにネット上では、《一週間に88人の感染者が出ているのにクラスター認定されないというのはどういうこと?》《クラスター認定されなかったから感染者が多くても営業するの?何かヘン》など戸惑いの声も多く見られる。

「厚生労働省によれば、『1カ所で5人以上発生し、接触歴が明らかな場合』をクラスターの目安としていますが、あくまで目安であって、公式なクラスターの定義というのは存在しません。自治体によってもクラスター認定の基準は異なっていて混乱が起きているのです。三越伊勢丹HDは他の百貨店同様、コロナも影響して売り上げ的にも厳しい状況に置かれていることから、クラスター認定されず営業を続けても問題ないのであれば、営業を続けたいというのが正直なところでしょう」(経営ジャーナリスト)

 これ以上、感染拡大しないことを願うばかりだ。

(小林洋三)

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