豊洲移転問題に東京五輪と失点続きだった小池百合子都知事(67)が再選に向けて動き出した。さながらゾンビのごとくコロナ禍を逆手に取った「ホラー会見」で、人気はうなぎ登り。もはや当選確実視されているのだ。そうした中、大阪府の吉村洋文知事(45)も参戦を示唆。負け戦必至の「日本維新の会」のテコ入れで捲土重来を狙っているというのだが——。
現職の小池知事をはじめ、過去最多となる22人が立候補し、7月5日に投開票が行われる東京都知事選挙。小池都政4年間の総括と新型コロナウイルスに対する施策の是非を巡っての信任投票の趣もあるが、小池陣営は事前の調査結果を踏まえて余裕の表情だという。勝敗の展望について全国紙政治部デスクが解説する。
「『学歴詐称疑惑』などマイナス要素があるにしても、小池知事の圧倒的有利は揺るがないでしょう。『よほどのことがないかぎり、2位にダブルスコアをつけて圧勝するのでは』との見方が強まっています」
実際、いまだコロナウイルス第2波の可能性もある中での選挙だけに、各陣営は街頭での選挙演説を控え、インターネットによる「オンライン活動」でアピールするなど、これまでの選挙活動のイメージから一変しているのが現状。それだけに、巻き返しを図りたい「小池以外」の立候補者たちは、その対策に苦慮している。
「都知事選の関心はむしろ、2位争いと、どこまで善戦できるかに尽きる。立憲民主・共産・社民の支援を受ける宇都宮健児氏(73)と、れいわ新選組代表・山本太郎氏(45)のどちらにより多くのリベラル票が流れるかは、識者の間でも見解が分かれるところです」(政治部デスク)
そうした中、両者に割って入る形となっているのが、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)だ。その知名度は、都民にとってまったくのゼロ。だが、コロナ対策で独自の政策を次々ぶち上げて鼻息の荒い吉村洋文大阪府知事が属する「日本維新の会」が推薦していることから、がぜんクローズアップされているのだ。
政治部デスクが解説する。
「大阪を本拠地としてきた維新の会にとって、首都圏攻略は悲願。その試金石としての都知事選は初参戦となります。『大阪モデル』を打ち出したコロナ対応で吉村知事が全国的に注目を集めたことで、維新内部では『今こそ全国に勢力を拡大するチャンス』との声が高まっている。維新イズムを共有する小野氏が都知事選で存在感を発揮することで『全国展開の足がかりになる』というもくろみがあるんです」
つまり小池氏に次ぐ2位獲得だけでも十分、打ち上げ花火としての効果は大きい。その役割を果たすことで、東京進出の足がかりにしたいというのが、維新の思惑だというのである。