トラの主砲・ボーアに致命的な弱点が発覚!「プラトーン」への切り替えは?

 阪神・矢野燿大監督も「プラトーン・システム」(先発投手によって選手を入れ替える戦術)を選択肢に加えるべきでは? オリックスバファローズとの練習試合で(6月13日)、開幕4番が予定されているジャスティン・ボーアが“弱点”を露呈してしまった。左投手が苦手、それもかなり深刻なもののようだ。

「矢野監督は、いつも4番ではなく、3番でボーアを出場させました。オリックスの先発が左の田嶋大樹だとわかっていたので、『一打席でも多く』の配慮からでした」(在阪記者)

 ボーアは「とくに(左投手だからと)意識はしていない」と言ったが、同日の4打席は全て対左投手で、快音ナシ。この成績を合わせて逆上ってみると、沖縄・宜野座キャンプ以降、16打数ノーヒットとなる。

「もともと、プラトーンの『対右投手用一塁手』でしたから。マーリンズに在籍していた2017年、ボーアは右、左の対戦投手に関係なくフル出場するチャンスを得たのですが、生かしきれませんでした」(米国人ライター)

 16−17年オフ、マーリンズは一塁を守れる右バッターを探していたが、その補強に失敗した。この時点で、ボーアには「左投手に弱い」というレッテルを貼られていたそうだが、「ホームランを年間20本くらい打てるし、年俸も高くない。左投手を克服すれば大化けするかも」と、フル出場のチャンスをもらったそうだ。しかし、結果はともなわず、フィリーズ、エンゼルスと渡り歩き、今日に至っている。「NPBに移籍しても、長年の課題が克服されるわけではない」というのが、米メディアの見方だそうだ。

「開幕カードでぶつかる巨人には、田口、メルセデス、高橋優、今村の左の先発要員がいて、移籍2年目の左腕・藤岡の評判も良い。仮に右投手が先発でも、試合終盤の勝負どころで、その藤岡や高木京といった左の中継ぎをぶつけられたら…」(前出・在阪記者)

 阪神の渉外担当者はボーアの“左投手嫌い”を甘く見ていたのかもしれない。

 守備陣営についていえば、昨季の4番・大山悠輔がマルテとの三塁定位置争いに敗れ、ここにきて急に外野を守り始めた。「マルテ、ボーア、大山」の強力クリーンアップも予想されるが、右打ちの大山と左バッターのボーアで、一塁併用策に切り換えるべきかもしれない。先発投手の右、左でスタメンオーダーを変えるメジャーリーグの「プラトーン」。対右投手で結果を出し、その後で、苦手の左投手を克服する阪神式のプラトーンも悪くないと思うが…。

(スポーツライター・飯山満)

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