無印良品が5月20日からネットストアで先行販売していた「コオロギせんべい」が大人気で品切れ状態(6月6日現在)が続いている。
同社のHPによれば、「コオロギせんべいは、『フタホシコオロギ』という熱帯性のコオロギを使用。衛生的で安全な環境で飼育され、温度や湿度を一定に保つことにより通年産卵させることが可能で、そのコオロギをパウダー状にしてせんべいに練りこみ、コオロギの味を活かすために余計な原料を使わずシンプルな配合にし、エビに近い香ばしい風味を楽しめる」とある。
実際に購入したネットユーザーたちからは、《塩味のあんばいが絶妙!海老せんより旨い》《タピオカの次はコオロギブームの予感?》といった声が続々。 この商品は昆虫食先進国のフィンランドなどで情報収集を行ない、昆虫食研究で国内最先端を行く徳島大学のノウハウで生産された食用コオロギを使用して開発されたというが…。
「2050年、世界人口は100億人になると予想され、そのためには重要な栄養素であるタンパク質の確保が最重要課題になります。そこで家畜の代替えとして注目を集めているのが昆虫。タンパク質やビタミンなどを多く含む昆虫は栄養価が高く、アジア、北米、中南米、アフリカ、オセアニアなどで古くから食用とされ、日本でも山間部を中心に、イナゴや蜂の子などが食されてきました。そんな背景もあり、国連食糧農業機関(FAO)も、世界的な人口増加による食糧危機を乗り越えるための一助として『昆虫食』を推奨しているんです」(フードジャーナリスト)
そんな昆虫食ブームがじわじわ広がりをみせる中、日本でも各地で手軽に『昆虫食』が楽しめる自販機が登場している。
「有名なのが上野の『東京靴流通センター 上野アメ横店』横の入り口に設置されている自販機。商品ラインアップはゲンゴロウ(1200円)のほか、バッタ(1300円)、カナブン(1200円)、タガメ、竹虫、蚕、フンコロガシなど29種類。いずれも加熱処理した虫たちを乾燥させ、塩で味付けしたもので、なかには常時売り切れの商品もあるようです」(前出・ジャーナリスト)
また、都内には、タガメの塩漬けやコオロギを素揚げした「昆虫6種食べ比べ」などを提供する居酒屋や、ハチやセミの幼虫をウリにする店もあり、“体験者”によれば、「コオロギはパリパリの食感がクセになるし、セミの幼虫は外側がパリパリで、中身が甘くてとてもクリーミー。一度食べたら病みつきになることは間違いないですよ」とのこと。
種類が多く、量も豊富なことにくわえ、少ない飼料や水などで生育可能。タンパク質やミネラル類、脂質等栄養素が豊富で、育成中のメタンガスの発生量もおさえられるとあって地球環境に優しい……と、まさにいいことずくめの昆虫食。
さすがに、街中にタピオカ店があふれたほどの大ブームとまではいかないにしろ、今後さらに注目されることは間違いなさそうだ。
(灯倫太郎)