“自販機型”ふるさと納税なら、その場で返礼品が受け取れる

 昨年の総務省の調べによれば、ふるさと納税の寄付件数は毎年増え続け、特に令和元年度から2年度では2334万件だったものが3489万件へ1.5倍近くにまで跳ね上がり、ふるさと納税の人気ぶりは相変わらずなようだ。むしろ熱が収まるところを知らないと言った方が良いほどで、今月18日には宮崎県都農町が、「寄付額の30%以下の地場商品」という国の基準を大きく超えた手厚い返礼品を取り扱ったとしてふるさと納税から除外の処置を受けたばかりだ。

 これを放ってはおくまいと、ふるさと納税を扱う民間企業のサイトも「楽天ふるさと納税」や「さとふる」、「ふるさとチョイス」などいくつもが先を競って寄付金を集めている状態なら、1円でも多くの寄付を集めたい地方自治体もあらゆる工夫を施し、中には「オホーツクの流氷」(北海道紋別市、寄付金額1万円)、「牛鬼(地元の祭りで使う鬼の面)」(愛媛県鬼北町、同2万2000円)、「ザ・闘牛(闘牛の名場面を集めたDVD6枚組)」(鹿児島県伊山町、同6万円)…と、コアなファン向けのものまであったりといった具合で多種多様、ユニークなものも沢山ある。

 そんな中、静岡県の御殿場市が昨年から始めたふるさと納税が、変わり種な上に短期で多くの寄付金を集めたことで話題になっている。

「まずは返礼品がゴルフ場でのプレーチケットという変わり種な上に、寄付の受け付け方法が自動販売機という斬新なもの。仕組みは、ゴルフ場に置かれた自販機に身分証明書を読み取らせるかタッチパネルで必要事項を打ち込みます。するとレシートが出てくるので、それを持ってフロントに行くと、寄付額の3割分に相当するプレー補助券に換えられ、すぐにその場でプレー代として使えるというものです」(週刊誌記者)

 御殿場市では昨年12月にこれを市内の3カ所のゴルフ場に置いたところ、12月31日までの1カ月で136件、1021万6600円もの寄付が集まったという。おそらくは返礼品が届くのを待たずにその場で受け取れるというところが人気なのだろう。御殿場市では今後、商業施設での設置も考えているという。

 ふるさと納税の自販機を設置しているのは御殿場市だけではない。湯河原町、相模原市、松田町(いずれも神奈川県)、小菅村(山梨県)、那須町(栃木県)、藤枝市(静岡県)でも設置されている。設置場所はやはりゴルフ場のほか、旅館、ホテル、みやげ物店、道の駅、空港、レジャー施設などで、例えば藤枝市はJR藤枝駅の無人販売店舗に置かれている。返礼品はゴルフ場にホテルの宿泊券と、この辺りは地元観光用の実用向けで、その他にも土産に利用できるロールケーキや玉露の茶葉などがある。

 実はこの自販機、神奈川県内のあるメーカーが開発したアイデア商品だ。そのメーカーによると自販機にかかる費用は買い取りで500万円、リースだと月9万2500円だというが、御殿場での好評ぶりを見ればすぐにでも回収できてしまいそうだ。

(猫間滋)

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