「海のない夏」をどう乗り切る? 需要沸騰ビニールプールの意外すぎる活用法

 毎年100万人以上の海水浴客が訪れる湘南のビーチが、今年は新型コロナウイルスの波に呑まれた。藤沢市を始めとした神奈川県内の多数の市町村は「感染リスクを徹底的に抑えることが難しい」として「今夏は海水浴場を開設しない」という判断を下した。藤沢市で海水浴場が開設されないのは戦後初めてのことだ。他の県でも開設を中止とする海水浴場が相次いでおり、異例の夏となりそうだ。

 この決断にネットでは《感染リスクを負ってまで海には行かないもんね》《今年は湘南を楽しめないなんて寂しすぎる。海水浴中も使えるマスクとか工夫してもだめですか(泣)》《組合が定める条例やルールも無しになるなら海辺が無秩序にならないか心配。開設しなくても海に入るの禁止にはできないでしょ?》と、悲しみの声や治安悪化を危惧する声があがった。

 海水浴場が開設せず、夏のレジャーの断念を余儀なくされる中、外出自粛により各地で発生した「ベランダ族」も夏仕様になっている。「ベランダ族」とは外出自粛を守りつつベランダ内でレジャーを楽しむ人のことで、主にベランダでのキャンプ、すなわち「ベランピング」や、アウトドアチェアに座り読書や食事を楽しむ「ベランダチェアリング」などが流行している。「ベランダ族」が次に目をつけたのは家庭用ビニールプールだ。

「毎夏、小さいお子さんがいる家庭ではビニールプールで遊ばせることも多いので一定の需要はありますが、今年の売れ行きはさらに好調です。まだ6月に入ったばかりですがAmazonの売れ筋ランキングでは常に上位で、これから本格的な夏を迎えるにあたってまだまだ売れ続ける気配ですね」(経済誌ライター)

 さらに、猛暑が予想される今夏、ビニールプール需要があるのは小さい子供のいる家庭だけではない。

「インフルエンサーやYouTuberたちが外出できない中で“映える”写真や動画を撮るために『#おうちプール開き』というハッシュタグとともに“ビニールナイトプール”で楽しんでる様子をアップし始めています。ビニールプールはインスタ映えの最先端なのです」(前出・経済誌ライター)

 この“うちで泳ごう”ブームの兆しの中、一方では「外出自粛のストレスがビニールプールでさらに溜まった」との声も見られる。

《下の階、ベランダでプール広げて大はしゃぎしている。テレワークに移行したからはしゃぎ声気になりすぎる》《隣のベランダから子どもの騒ぎ声が……うちのマンションが保育園になってしまったかのようだ》

「ベランダ族」として夏を満喫する際には周りへの配慮も忘れずに。

(浜野ふみ)

ライフ