東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを運営する株式会社オリエンタルランドが6月1日、新型コロナウイルスの影響による両園の臨時休業を継続させることを発表した。
同社は公式サイトにて、「政府の緊急事態宣言が解除されましたが、両パークの臨時休園を継続いたします」と報告。続けて、「再開につきましては、政府・自治体からの休業要請等の段階的な緩和や、パーク運営の準備等、社内外の状況が整った段階で、判断してまいります。再開日が決定しましたら、あらためてお知らせいたします」と発表している。
同社は、政府の緊急事態宣言が発出された4月7日以前の2月29日から営業自粛の措置を取り、その後も自粛の延長を継続。実に3カ月以上にも及ぶ閉園状態に耐えられる底力には“さすが天下のディズニー“との声も寄せられた。
「多くの百貨店やショッピングモールに加え、一部のスポーツジムや映画館なども緊急事態宣言が解除されて以降はコロナ対策を施した上で次々にオープンしている状況ですが、全国から客が集まるディズニーはやはり他の商業施設とは事情が異なるということでしょう。2018年度は年間でおよそ3200万人、1日あたり平均9万人近い来場者を記録する両パークを再開させてしまえば、全国津々浦々から利用者が越境して集中してしまうことは必至。しかも長い自粛生活の反動で普段以上に混雑することも考えられる為、言わば“人気がありすぎる“が故に容易に営業を再開できないというジレンマがあると言えます。とはいえ、莫大な支出を賄うための歳入を一刻も早く捻出したいことも事実でしょうから、今回の勇気ある自粛延長についてはネットでも『ブランドの価値がまた上がったと思う』『流石の体力です。キャストを解雇せずに3ヶ月もつとは恐れ入ります』『緊急事態宣言が解除されたのに自主的に止めたのは賢明』『さすがNo.1のテーマパーク』との称賛が飛び交いました」(テレビ誌ライター)
政府は5月25日に発表した段階的な緩和目安の中で、全国を対象とした県をまたぐ移動の自粛解除を6月19日以降に設定しており、両パークの営業再開もこの日を基準としているのではないかと見られている。
若者から大人まで幅広い層から熱烈な支持を受け続けるディズニーランドだけに、営業再開に対して慎重な姿勢を見せたのは勇気ある決断だったといえるだろう。
(木村慎吾)